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日本酒界のボジョレー・ヌーボー、立春朝搾りがうまいのなんのって

2012年2月6日 11時00分 ライター情報:杉村啓

「開華 純米吟醸 生原酒 立春朝搾り」です。立春朝搾りは基本的に同じようなデザインのラベル(もちろん蔵元の名前のところは各蔵元の名前になります)となっています。

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余寒なお去りがたきおりから、皆様お元気でお過ごしでしょうか。

なんて柄にも無く季節の挨拶から入ってしまいましたが、2月4日に立春を迎えましたので、今はこんなに寒くても暦の上では春だったりします。なんでこの時期に春なのかというと、お昼の長さと夜の長さを基準に季節を区分する方法では、立春から立夏の前日までが春になるからだそうです。そして、立春以降の寒さを残寒とか余寒と言うのですね。

そんなことを言っておりますが、立春のことが今回の主題ではありません。立春に販売される、スペシャルな日本酒こそが本題なのです。そのお酒を「立春朝搾り」と言います。

この立春朝搾りは、文字通り立春の日の朝に搾ったお酒をその日のうちに買えるようにしたものです。そう、まさに絞りたてのお酒を買うチャンスなのですね。朝にできたばかりのお酒をその日のうちに飲めるので、それはもう新鮮そのもの。本来だったらそこまでのできたてのお酒は、蔵元さんのところに直接いかないとなかなか飲めないのですが、立春朝搾りなら飲めちゃうというわけなのです。

でも、どうやってその日のうちに買えるようにしているのでしょうか。理屈はとても簡単です。蔵元さんの近郊の酒屋さんが早朝から蔵へお手伝いに行って、瓶詰めや出荷作業を一緒にするのです。そして、酒屋さんは注文分のお酒をそのまま直接蔵から運び出すので、その日のうちに購入することができるというわけなのですね。

そういう仕組みになっているので、立春朝搾りは基本的に地域限定酒となっています。例えば、東京に住んでいながら京都の蔵元さんの立春朝搾りが飲みたいなーと思っても、東京では購入することができないのです。

今年の立春朝搾りは北は北海道から南は九州まで、全部で38の蔵で作られました。ラインナップはこちらで確認をすることができます。

解禁日が毎年決まっていることと、新酒を楽しむということとがあいまって、立春朝搾りは日本酒の中のボジョレー・ヌーボーとも呼ばれていたりします。年々注目を集めていまして、売り上げも上がっているようです。でも実際にはとても大変で、ある意味大吟醸よりも神経を使う、杜氏さん泣かせのお酒だったりもするのです。本来ならお酒のできをチェックしながら、一番いいタイミングで搾ればいいところを、搾り上がりの日が決まっているので、できあがりが早すぎたり遅すぎたりしないように完璧に管理をしなければならないのです。
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ライター情報

杉村啓

醤油と日本酒と料理漫画とその他諸々をこよなく愛するライター。なんでも超丁寧に解説します。近著に『白熱日本酒教室』(星海社)、『醤油手帖』(河出書房新社)ほか。

URL:醤油手帖

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