「おかっぱ男子ってなに?」という人は、「千と千尋の神隠し」のハク様を想像してみてください。

前横うしろ、すべての髪をパツンと切りそろえた、カラーリングの痛みとは無縁のサラサラ&つややかな黒髪。
顔にかかる髪が男くささを薄め、かわいらしさと安心感を与えてくれます。同時に、内に秘めた男らしさというギャップも。

そもそも、男子は無造作ヘアに頼りすぎ! 正直もう飽きちゃいませんか?

ワックスを付けて毛先をクシュッと遊ばせる、無造作ヘア。TVの向こう側にも街中にも、毛先クシュクシュ男子が増殖しております。
だいたい毛先を遊ばせるってなんだよ! そもそも、無造作じゃねーし! と、彼らをみていると思うのです(正真正銘の無造作ヘア=寝グセは大歓迎)。
これからは、おかっぱですよ。


独自の世界観を持ち、活躍している著名人の中には、おかっぱ男子が多く生息しています。個性を出しやすい、というのと美容院に行くのが面倒くさい、の両方があるようです。
前者の場合、お椀型やオンザ眉毛、アイテム(メガネ、ひげ)付きなど、バリエーションが豊富なので、自分流にアレンジしやすいのも理由のひとつかもしれません。
「ああ、あのおかっぱの人でしょ?」とひとくくりにされないためにも、自分なりのおかっぱを見つけることが大切です。
ここらでタイプ別に説明してみましょう(関連写真中のマトリクスを参照)。

芸人タイプ
周辺の女子に聞いたところ、まず名前があがるのは、南海キャンディーズの山里亮太。
続いて、バナナマンの日村勇紀。お笑い芸人にはおかっぱ率が高く、他にもふかわりょうや雨上がり決死隊の蛍原徹、天津の向清太朗などがいます。おかっぱ芸人にはねらいがあるはず、と勝手に推測してみました。
・キャラが立つので、顔を覚えてもらいやすい。
・個性的な印象になるので、ギャグや顔芸が際立つ。
・気持ち悪い芸をしても「キモカワ」に変換できる。

南海キャンディーズ・山ちゃんには、気持ち悪さを際立たせるという「キモカワ」とは逆の目的が感じられます。全体的に自分を演出するためのツールとして、おかっぱを選んでいるようです。

無頓着タイプ
個人的イチオシ。銀杏BOYZの峯田和伸や中村一義、向井万起男氏が該当します。床屋嫌いな人に多く、自分で切るから結果的におかっぱになるというパターン。銀杏BOYZのボーカル・峯田和伸は、自身のブログの書籍化や「hon-nin」での小説執筆、映画「アイデン&ティティ」「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の主演など、バンド以外にも様々な方面で活躍しています。
ライブでは全裸になる、ケガをする、男性ファンとキスをするなどの派手なパフォーマンスが有名ですが、なぜか下品な印象を与えません。
実践するにはおかっぱプラスアルファの要素がないと難しいタイプです。

ミュージシャンタイプ
男くささが極めて薄く、女性に人気が高そうなのが、こちら。コーネリアスやスピッツの草野マサムネ、ART-SCHOOLの木下理樹、初期のスネオヘアー(ふかわりょうと共演した「Over the River」のPVは必見!)などです。無頓着を装いつつも、おしゃれ度は高め。曲も洗練されていて、童貞臭は感じられません。
おかっぱでモテたい男子はこちらを目指してみてください。

役柄タイプ
おかっぱを愛でていたい女子用に。映画「舞妓Haaaan!!!」の阿部サダヲや「ピンポン」の窪塚洋介、「デトロイト・メタル・シティ」の松山ケンイチなど。オンザ眉毛&お椀型の思いきったおかっぱがポイントです。かわいらしい外見とは裏腹に劇中では野球や卓球、音楽とそれぞれ才能を発揮していて、ギャップも楽しめます。彼らが画面上で動き回っている姿をつまみに晩酌、も乙なものです。


他にも二次元やグループなどタイプ分けは色々あります。
四方八方に散らばる毛先をパツンと切りそろえて、ここらでおかっぱにしちゃいましょうよ。(畑菜穂子)