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松たか子、阿部サダヲ夫婦が結婚詐欺。映画「夢売るふたり」西川美和監督に聞く1

2013年2月22日 11時00分 ライター情報:木俣冬
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夢売るふたり DVD&Blu−ray
原案・監督・脚本 西川美和
出演 松たか子 阿部サダヲ ほか
発売元 バンダイビジュアル
3月6日発売

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松たか子と阿部サダヲが、結婚詐欺の夫婦を演じる映画「夢売るふたり」のDVD&Blu−rayが発売される。
夫婦で仲睦まじく小料理屋をきりもりしていた貫也(阿部)と里子(松)だったが、火事で店を失ってしまった。傷心で酒浸りとなった貫也は、店の常連客と一夜の過ちをおかす。それを知った里子は、店の再開資金を得るために、貫也にわけありの女たちに付け入らせ、金を巻き上げる結婚詐欺をはじめるのだった。
水商売の女、ウエイトリフティングにすべてを賭けていた女など、孤独な女たちに近づいては心も金も奪う貫也と、裏で糸を引く里子。ふたりは息の合った共犯者のはずだったが、次第にその関係性が狂いはじめて……。
阿部サダヲ演じる、ダメ男なんだけど女にモテる愛嬌のある夫と、松たか子演じる、たとえそれが地獄道でも黙って夫と歩んでいく妻。
このふたりはどうなるの???と最後の最後まで気になってならない。
特に、松が「告白」に次いで演じた、底知れない女のこわさが後を引く。
監督は西川美和「ディア・ドクター」「ゆれる」などで高い評価を得た西川監督に、
「夢売るふたり」に散りばめられた数々の謎を訊く。

───「夢売るふたり」、見る人の想像に委ねる部分の作り方が理性的でいいですね。
西川 ほんとですか。どこが理性的か教えてほしいです(笑)。
───松たか子さんの目線を残す時間などです。ラストカットもそうですし、火を振り返る目線、途中、阿部サダヲさんを見送るカットなど。
西川 ああ、よく見てくださっていますねえ。
───微妙な間合いで切るところはセンスもあるだろうし、西川さんの理性なんじゃないかと思ったんです。
西川 今、そう言っていただくと、そういえば考えながら作った気がするんですね。無意識な編集点ではないです。「夢売るふたり」は、松たか子さん演じる女主人公が、ことごとく自分の内面の感情を言葉にしない女っていう設定で作っていたんです。腹の中で思ってることを墓場まで持っていく妻っていうキャラクター設定にしていたんですよ。内面に積み重なったものを台詞で主人公に吐き出させることは、やろうと思えばできるんだけれども、結局日常的な言葉にしてしまうととるに足らないことなんですよね、彼女の抱えている怒りなんて、実は。だけど、そのつまらないっていうか、そのシンプルなこと――例えば「寂しい」という一言は、小さな子供でも感じる感情で、なんだそんなことだって思うかもれないけれど、寂しさってすべての人間にとって死ぬまで等しく重くのしかかることであったりしますよね。

ライター情報

木俣冬

著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』、ノベライズ『リッチマン、プアウーマン』『デート~恋とはどんなものかしら~』

URL:Twitter:@kamitonami

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