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阿部サダヲさんも、燃やされたのははじめてだって言ってました。映画「夢売るふたり」西川美和監督に聞く2

2013年3月1日 11時00分

ライター情報:木俣冬

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にしかわ・みわ○74年生まれ。映画監督、脚本家、小説家。是枝裕和、諏訪敦彦などの映画の現場を体験し、「蛇イチゴ」で監督デビュー。2作目の「ゆれる」で数々の賞を受賞し、続く「ディア・ドクター」「夢売るふたり」も高い評価を得ている。自ら手がけた『ゆれる』のノベライズでは三島由紀夫賞候補になり、小説『きのうの神さま』では直木賞の候補にもなる。

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松たか子と阿部サダヲが、結婚詐欺の夫婦を演じる映画「夢売るふたり」のDVD&Blu−ray発売を記念しての、西川美和監督インタビュー後編。
松たか子演じる里子は、思ってることをとことん口にしない女。
彼女だけでなく、西川監督作品には、本心を隠している人ばかり出てくるが、なぜ、それを題材にし続けるのか、その秘密に迫る。

──「夢売るふたり」に香川照之さんが出演されていますが、冒頭で道路の向こうに渡っていくじゃないですか。あれが「ゆれる」のラストで、オダギリジョーさんと道路を隔てた向こう側に香川さんがいるシーンとちょっと重なったんです。「ゆれる」を連想させる遊び心なのかなって。
西川 そんな意見、はじめて聞いた(笑)。そうだってことにしておきます(笑)。ちなみに「ゆれる」で香川さんが、ガソリンスタンドで、チンピラみたいな男にからかわれて、ぶち切れるシーンに、赤いジャージの男が出ているのですが、「夢売るふたり」にも出ているんです。同じ赤いジャージを着て。
──やっぱりつながりが。
西川 その人だけは「ゆれる」と同じ役っていう設定なんです。人生で最後に一旗をあげようと思って東京に出てきて、劇団を作ったという設定で、後半の居酒屋で、そんな話を山下敦弘監督とふたりでしゃべっているのが、「キャッチボール屋」という映画の監督の大崎章さんです。私の助監督時代の先輩で、演出部としても「リンダリンダリンダ」その他、数々の名作を支えてきた異才の人です。
──そういう登場人物の裏設定って考えているんですか?
西川 たまたまですけど。でも、みんなそれなりに考えていますよ。
──もちろん、主役のふたりのことも?
西川 いい質問を! 今回、Blu-ray特装版のほうにライナーノートっていうのがありまして。そこには、この夫婦が、どこで生まれてどういう育ち方をして今に至るっていう裏設定を書いています。それぞれのバックグラウンドなども作品中ではさほど詳細に語られたりはしませんので、演じ手たちが「自分の役ってどういう人なの?」と迷った時にガイドに出来ればと思って、あらかじめ書いたものを用意したんですよ。それがそのまま掲載されています。
──映画の中でわからなかった秘密がわかるんですか?
西川 わかりますよ。今までの夫婦関係のなりたちなどが。なので、ぜひ、Blu-ray特装版をお求めください。すごいですね、台本を渡したんじゃないかなっていうくらい、見事にこちらが言いたい話を質問して頂いて。

ライター情報

木俣冬

著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』、ノベライズ『リッチマン、プアウーマン』『デート~恋とはどんなものかしら~』

URL:Twitter:@kamitonami

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