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頑固でマイペースでひょうきん者。野球殿堂入り、野茂英雄の素顔

2014年1月20日 11時00分

ライター情報:オグマナオト

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野球殿堂入りを果たした野茂英雄。今回取り上げた本以外でも、『ドジャーブルーの風』(野茂英雄/集英社)、『八月のトルネード』(阿部珠樹/ベストセラーズ)、『野茂英雄「大リーグ30試合」』(江夏豊/講談社)などがあります。

1月17日(金)、東京・文京区の野球殿堂博物館で2014年の野球殿堂入り表彰者が発表された。プレーヤー部門で選出されたのが、大魔神・佐々木主浩、ソフトバンク・秋山幸二監督、そしてトルネード投法・野茂英雄の3名だ。特に野茂は、故・川上哲治の45歳8ヵ月を塗り替える史上最年少での殿堂入り(45歳4ヵ月)、スタルヒン・王貞治以来、史上3人目の候補初年度での一発当選など、現役時代の偉業同様、殿堂入りに際しても大きな足跡を残す形となった。

日本人メジャーリーガーのパイオニア、日米通算201勝、2度のノーヒッターなどなど、殿堂入りによって、野茂英雄のプレーヤー時代の功績が各メディアで改めて紹介されている。その一方で、取材嫌い・マスコミ嫌いだったためか野茂英雄の人間性、キャラクターについてはあまり報じられることがない。そこで本稿では、野茂英雄自身が過去に書いた自著、そしてチームメイトや球界関係者の著作物から、野茂の人間味溢れる部分を紐解いてみたい。

【頑固者・野茂英雄】
自他ともに認める頑固者、それが野茂英雄だ。自著『僕のトルネード戦記』(集英社文庫)の中にこんな記述がある。
《僕は確かに頑固かもしれません。人間としても野球人としても。でも、ピッチャーという人種は、どこかで頑固でないとやっていけない》

その頑固さゆえ、近鉄球団や鈴木啓示監督とは事あるごとに揉め、後の「任意引退」→「メジャー挑戦」に繋がっていく。野茂英雄の考察本としてはもっとも詳しい『野茂英雄~日米の野球をどう変えたか~』(ロバート・ホワイティング著、松井みどり訳/PHP新書)には、チームどころかリーグからの要請にも頑として譲らない野茂の様子が描かれている。

《野茂は球団とも衝突する。一九九四年、オールスター戦のあいだ全員がミズノのスパイクを履くのが“常識”だったにもかかわらず、野茂はパ・リーグの命令を拒否しナイキを履く契約を結んだ。パ・リーグがミズノから受け取った契約金の一部をもらっていたバファローズの重役たちは、怒り心頭だった。》

この他にも、球団が解雇した立花龍司コンディショニングコーチと個人的に契約を結ぶなど、仰木彬監督の退団(1992年)以降は調整法や起用法など様々な面で球団・監督と揉めた野茂。自分が信じるもの、いいと思うものを貫く野茂が日本球界に収まらなかったのは、ある意味で当然だったといえる。


【マイペース・野茂英雄】
良くも悪くも、頑固とマイペースは紙一重。

ライター情報

オグマナオト

福島県出身。『週刊野球太郎』『web R25』を中心にスポーツネタ、野球コラムを寄稿。構成した本に『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』『福島のおきて』など。

URL:Twitter:@oguman1977

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