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マツジュン爽太に羽生結弦魂を見た「失恋ショコラティエ」6話

2014年2月18日 11時00分 ライター情報:木俣冬

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ドラマ第6話は、原作5巻収録の21話の傑作エピソードが満載でした!

2月17日(月)放送「失恋ショコラティエ」第6話(CX)は、今のご時勢にピッタリの話でありました。

つい先日、オリンピックのフィギュアスケートで金メダルをとった羽生結弦が、金メダルという頂点に立ったにも関わらず、「悔しい」と自分の足りない部分を反省し、テレビのインタビューで「今やりたいことは?」という質問に「サルコーの練習」と答えるという、なんとも真摯な姿勢を見せました。

奇しくも「失恋ショコラティエ」では、こんなセリフが。
主人公・爽太(松本潤)が、えれな(水原希子)が失恋してしまい、男性から愛される女子力に不足していると自虐モードになっている時に、こう言うのです。

「上に行こうとしている人間はみんなそうだよ」
「ステップアップすればするほど すげえ人いっぱい見るようになって どんどん自分が小さく見えてくる」

燃えるセリフですねー。これは「萌え」ではなく「燃え」であります。
ラブストーリーですが、感情だけではなくてものすごく理知的で、凛としたところは、男の人におすすめです。

羽生くんの「悔しい」発言も、こういうことですよね。
今の自分で満足してはいけない。結果出した時点で、それはもう過程であって。常に自分を超え続けていくしかないのです。

凡人にはなかなかできないことですけれど、気には留めておきたいものです。

爽太を演じている松本潤は、おそらく、羽生魂に似た考えをもって仕事をしているのではないでしょうか。
だからこそ、爽太が、女にいいように流されているだけの、女子用愛玩キャラになっていないのです。

中には、女子向け作品で、愛玩キャラに徹してしまう俳優やタレントもいます。
ところが、松本潤はアイドルという自覚を持ち、女子向け映像にもたくさん出演しているにも関わらず、常に毅然としています。
イヌか猫かと言ったら猫っぽい。主人にサービスすることもあるけれど、完全にはなつかない感じ。

「失恋ショコラティエ」はともすると、魔性の女サエコに振り回され続ける男の話になってしまいそうなのですが、それを、前述の凛々しいセリフなどで、立て直していくところに魅力があります。

バジルやセロリなどの香草を隠し味に使ったチョコレートのように、感情と理性を溶かして極上な詩に仕上げたような原作のドラマ化という難題にトライしている「失恋ショコラティエ」の妙味は、原作以上に、甘さと苦さの葛藤です。

漫画は、作家がひとりでコントロールできるので、甘さと苦さのバランスがみごとなのですが、ドラマだと、わかりやすさが求められるため、甘いか苦いか白黒はっきりしてしまいがちです。

ライター情報

木俣冬

著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』、ノベライズ『リッチマン、プアウーマン』『デート~恋とはどんなものかしら~』

URL:Twitter:@kamitonami

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