朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土朝8時〜)第4話。希の子役・松本来夢ちゃんのまわし姿、足腰の華奢さが強調されて、未成熟カラダフェチとしては目が離せませんでした。
股関節まわりのすかすか感がたまりません。

それはともかく、どうやら「まれ」はダメ親父ドラマのようです。
ダメ親父が、希の父・徹(大泉洋)だけではなく、なんと、地道にコツコツの代名詞のように思われていた製塩職人の元治(田中泯)までがダメ親父だったことが4話で判明しました。
「真面目で寡黙でほんとうに人間のできた方」と徹の妻・藍子(常盤貴子)も
べた褒めしていた元治。実は「おまつりバカ」(by徹)で、夏祭りの準備に余念がなく、お酒もたくさん飲んで踊りだしちゃうノリの良さは、傍から見ていると厄介で、妻・文(田中裕子)は気苦労が耐えないようです。いやあ、人にはいろんな面があるんですねえ。

元治役の田中泯は舞踊家として活動しながら農業を営んでもいるので、元治役にぴったり。ご本人は、仕事が農業で、踊りは日常であると自身のサイトに書いています。
そのサイトには「私は場所で踊るのではなく、場所を踊る。」とも書いてありまして(かっけー!)、元治の太陽をたっぷり浴びた膚感、大地に踏ん張る足腰の安定感、自然の周期としっかり共生している人のリアルは、田中の実生活あってのものでしょう。海で塩をつくり、年に一度の祭りを心待ちにする。そんな生活の中から発生する踊りの衝動にも説得力は絶大です。
タイトルバックで、土屋太鳳と一緒に踊ってくれないかしら。


さて、ダメ親父の話に戻りましょう。
2話で、能登には「とと楽」という言葉があり、意味は「働き者の母さんのおかげでだんなは楽に暮らしている」であると語られていたのは、4話の伏線だったわけですね。
「髪結いの亭主」と紹介された蔵本浩一(篠井英介)や、農業は妻(ふせえり)に任せて郵便配達やっている寺岡真人(塚地武雅)も、しっかり者の奥さんに頼っているのでしょう。
「マッサン」も後半持ち直したものの、初期はマッサン(玉山鉄二)がかなりのダメダメくんで、彼ひとりでもその頼りなさが目に余ったくらいですから、今回、男性陣がそろってダメ男ということだとしたら、もう大変。これから先の女たちの苦労が思いやれるなあと思いつつ、楽しみでもあります。
(木俣冬)