4月16日放送の朝ドラ「まれ」(NHK月〜土 朝8時〜)第16回では、希(土屋太鳳)が痛い目に遭い続けます。
まず、ロールケーキ甲子園に挑んだものの、「おるがいね。
うち全然勉強せんかってんと言いつつ100点取る女」という世の習いを痛感。自分のケーキを褒めてくれた女の子が1番をとってしまいました。残念ながら希は入賞すらできませんでした。
優勝した子(演じているのは。元AKB48の光宗薫)に認められたのだから、実は希はすごいのだってことでもなく、単に、自分を褒める人は自分に自信がある人で、褒めは、ある種の上目線。真に相手をライバルと思ったら、あえて知らない顔をするもので、自分を脅かさないから褒めることもできるわけです。
現実は厳しいですね。もちろん、なかにはそうではなくて、もう少し純粋なものをあるでしょうけれど。
追い打ちをかけるように希は、審査員をしていた一流パティシエ・池畑大悟(小日向文世)に、
「ケーキは見込みだの 才能だの
そんなえたいの知れないもので
なんとかなる世界じゃない。
まずは修業。
修業が終わったら また修業。
そこで初めて見えてくるものが
あるかどうかだ。

そこを飛び越えて
いきなり見込みがあるかどうか
聞いてくるようなやつには
見込みなんかない」
と手厳しいことを言われます。
ただ、この池畑という人物、冷たそうに見えても、わざわざ座って希の話を聞いてくれたので、本当はいい人なのかもしれません。言っていることも正論ですし。
こうして悔しさを抱えて能登に戻ってきた希に、圭太(山崎賢人/崎、大じゃなくて立のほう)が、「焼き物は嘘つかん」という祖父・弥太郎(中村敦夫)の名言を引いて励まします。
焼き物と比べると、輪島塗りは何度も漆を塗ることでごまかせるが、だからこそ、うそをついてはいけないという弥太郎の言葉に打たれるなんて、圭太って純粋。
希もその話には引き込まれていきましたが、そこへ、一子(清水富美加)が戻ってきて・・・。

そして、希が帰宅すると、藍子(常盤貴子)の痛いお迎えが・・・。
こういうとき、希の味方になってくれる徹(大泉洋)。彼にも存在価値があるようです。なんだかんだ言ってバランスを取り合う津村家は、まさに「幸せ貧乏家族」なんでしょうね。誰がイチジクで、誰が能登イモで、誰が栗で、誰が柿なんでしょうか。
(木俣冬)

タイトルバックに驚いた。
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