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銭形はルパンの女房か?新「ルパン三世」13話「ルパン三世の最期」友情というより……

2016年1月7日 10時00分

ライター情報:大山くまお

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年をまたいで第2クールに突入、ますます絶好調の新シリーズルパン三世。ずっと見ていたOPにレベッカがいるなんて気がつかなかったよ。気づいた人、いた?
『ルパン三世DVDコレクション 2015年2月号』講談社(「脱獄のチャンスは一度」収録)

第2クールの冒頭を飾る13話「ルパン三世の最期」は、前回のラストで逮捕されたルパンの脱獄を描くお話。

逮捕されてイタリアの刑務所に収監されたルパンだが、どんなに厳重な警備を敷かれても脱獄なんて朝メシ前。それを阻止できるのは、ルパン一筋ウン十年、ルパンのことを知り尽くした銭形警部以外に存在しない。敏腕警部の面目躍如だ。

イタリアには死刑制度がなく、ルパンを終身刑にするには莫大な維持費がかかってしまう。そこで銭形警部の発案により用意されたのは、ルパン専用の牢獄だった。

ルパン専用の牢獄とは、海に面した場所に建てられた極小の独房で、誰かに変装して逃亡されないように警備も銭形警部ただ一人。銭形は外のテントで寝泊まりし、なんとルパンのためにかいがいしく食事の世話までする。ルパンの世話を一生続けるつもりだったんだろうか? たぶん、そうなんだろう。銭形はルパンの女房か。

ルパン一味である次元、不二子、五エ門が助けに来る様子もない。さすがのルパンも万事休すか。そんな折、ルパンが食事を拒否しはじめる。絶食して餓死しようというのだ。

「とっつあん、負けを認めるよ。さすがにここまでされちゃ、俺もお手上げだ。このまま生き続けるなんて無様にもほどがある。潔く死を選ぶよ」

なんとかして食事をさせようとする銭形だが、ルパンは拒否し続ける。髪もヒゲもぼうぼうのまま、見る影もなくやせ衰えていくルパン。何度も扉を開けようとするが、なんとか思いとどまる銭形。死にゆくルパンを前に、自問自答を始める。

「やつが死に近づきつつある現状に焦りを感じる俺がいる。ならば、俺にとってルパンを捕まえることは何を意味していたというんだ……」

ルパンを捕まえるのが銭形警部の生きがい。だが、ルパンが死んでしまっては生きがいがなくなってしまう。それはすなわち、刑事・銭形の死を意味する。

ルパンの最後の頼みは、タバコを1本恵んでもらうこと。扉越しにタバコを喫いながら語り合うルパンと銭形。

「己の美学を貫き通す。それが男ってもんだろ。楽しかったぜ、とっつあん」

いよいよピクリとも動かなくなったルパン。それを見て銭形警部は独房の中に入るが……それはルパンが独房の床に描いた絵だった! ちゃんと扉の覗き穴から見たときの角度も計算されたトリックアートである。

ライター情報

大山くまお

ライター。著書に『野原ひろしの名言』『野原ひろしの超名言』(双葉社)、『名言力』(ソフトバンク新書)、『中日ドラゴンズあるある』(TOブックス)など。

URL:Fire Stone and Water

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