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焼け残っていた婚約指輪の呪い「新・牡丹と薔薇」27話

2016年1月12日 09時20分

ライター情報:木俣冬

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「新・牡丹と薔薇」(東海テレビ、フジテレビ 毎週 月〜金 ひる1時25分〜)1月11日(月)第27話「指に食い込むあの指輪」より 原作・脚本:中島丈博 演出:藤木靖之
イラスト/小西りえこ

富貴子の態度もどうなんだ


お正月、各々、牡丹と薔薇柄の艶やかなお着物を身にまとう富貴子(黛英里佳)と美輪子(逢沢りな)が眼福でした。現代的な美輪子のお着物も妹らしく可愛いし、古典的な富貴子のお着物もグリーンで甘さを抑えつつハデでかっこいい。

見た目はキレイ。でも、心の中はカオス。それは主に美輪子のほうで、ぼたんとダブルイメージで見ないでほしいと富貴子が迷惑がっても、どこ吹く風の美輪子。瀬尾綱輝(片岡信和)を焚き付けて、亡くなったぼたんがもっていた婚約指輪をプレゼントさせようとします。
あの主張のはげしいトルコ石の婚約指輪。焼け残っていたのかー。さすが、執念深い、呪い的な指輪。
凄惨な死を遂げた人物がしていて、修復できないほど焼けただれた、この指輪を他人に送るなんて、美輪子、怖過ぎ。
案の定、富貴子がはめたら外れなくなって・・・やっぱり「新・牡丹と薔薇」はホラーの香りが致します。
感極まって、泣きながら富貴子にキスする瀬尾綱輝。
ホラー映画の枠組みなら成立しそうなファンキーな描写を、現実の枠組みで描いているところが、昼ドラーー中島作品の凄みです。

瀬尾の中ではぼたんとのことが、すっかりいい感じの思い出になっているところが人間の記憶のおそろしさ。
それに輪をかけて美輪子の思い込みが激しくなっています。
まだヴァージンのままで潔癖と決めつけられた富貴子は、背の高いこんな大きな外国人とセックスライフをそれなりに楽しんでいた、と反論。
嘘だと逆上する美輪子。すっかりぼたんと思い込みはじめていますよ。やばい、やばいです。病院にも行ってるはずなのに、全然、治療がうまくいってないではないですか。
富貴子も富貴子で、美輪子にまともに反応し過ぎ。男関係なんて隠しておけばいいのに、皮製品職人さんにしても、元旦那についてもオープンにして「女」であることを強調するのは、なんらかのコンプレックスの裏返しのようにも思えます。富貴子もまともに見えて、けっこう病んでいますよね。
そう思うと、ふたりの着物が禍々しく見えてくるのです。

今日の、お役立ち名言


「猫だってまともに見つめちゃ目を背けるって」(富貴子)

ひとの目をあまりにまっすぐ見るのはよろしくないようです。
(木俣冬)

ライター情報

木俣冬

著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』、ノベライズ『リッチマン、プアウーマン』『デート~恋とはどんなものかしら~』

URL:Twitter:@kamitonami

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