98話はこんな話
はつ(宮崎あおい/崎の大は立)と10年ぶりに語り合ったあさ(波瑠)は、
これまで長いこと気をはっていたことを自覚し、思いきって、本来の自分らしい動作をしてみる。
般若のあさが怖過ぎる
ここのところずっと、いい事を言うのは、五代(ディーン・フジオカ)が多かったが、その前ははつがそれを担っていた。戻ってきたはつは、「お金で返せるもんなんか 一つもあらへん。」と期待に充分答えてくれた。
お金は、何かを育てるために使うものなのだ、とはつは教えてくれる。
はつがいい事を言うと、うめ(友近)も続く。
「涙もろうなるいうのは それだけ涙流すような思いをぎょうさんして
それを乗り越えてきた事の証やいうて聞いた事あります。」
このいい台詞は、9話ではつがおひな様を飾りながら語った「おひなさんかていろんな経験してたくましゅうなって、そやさかい幸せになるんや。」を思い出させる。
はつは自分の言ったとおりになった。
そして、あさもまた・・・。
暢気に好きなこと自由にやっているようで、ずっと気を張りながら、しっかり者としてやってきたものの、じつは大の字に寝転がるような人間なのだと、はつの前では素直になれる。
あさは10年も、ビジネスの世界で無理してきたのだ。そう思うと、千代(鈴木梨央)が、お母さんがどんなにキレイに着物を着ていても、憧れることなく、はつのほうにお母さんらしい柔らかさを感じてしまうのは、あさが無理していることを本能的に感じ取っているということなのかもしれない。あさはピリピリしているのだろうなあ。
巴御前に例えられたり、鬼に例えられたりするあさ。
糸もった般若は、必殺仕事人の三味線屋の勇次よりも強そうだ。
巴御前は木曽義仲のパートナーで、義仲の叔父・源義朝を、玉木宏がかつて大河ドラマ「平清盛」で演じていたと思うと感慨深い。
(木俣冬)
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