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信繁少年のワクワク冒険活劇みたいな「真田丸」5話

2016年2月14日 10時00分 ライター情報:木俣冬
NHK 大河ドラマ「真田丸」(作:作三谷幸喜/毎週日曜 総合テレビ午後8時 BS プレミアム 午後6時)
2月7日放送 第5回「窮地」 演出:木村隆文

不在であることで一層存在感を増す信長


第4回のラストだけで終わりじゃなかった【本能寺の変】に少々安堵。
とはいえ、なんだか長いオープニングよりも短く、実質3分もなかった。
それだけ、【本能寺の変】が誰もが予想し得なかったあまりに突然の出来事だったことと、圧倒的な強さを誇った信長(吉田鋼太郎)の最期のあっけなさや虚しさが色濃くなり、三谷幸喜の【本能寺の変】は、短いながら意欲的なものだったと言えるだろう。

燃え盛る本能寺で、信長を出さずに鎧の頭が落ちる(中は空っぽ)という演出と、35分めあたりからはじまる、信長の家臣・滝川一益(段田安則)が真田昌幸(草刈正雄)と信幸(大泉洋)に、信長の理想(戦のおきない世の中を作る)について語る場面によって、歴史の中の織田信長の不在の大きさも一層印象深くなっている。視聴率も、第四回の17.8%から19.0%に上がった。

そこにいない人物を、関わった人たちの会話のみで浮き上がらせる三谷作品と言えば、読売演劇賞ほか多くの賞をとっている舞台「国民の映画」(2011年初演)がある。これは、ナチスの宣伝大臣ゲッペルスが主役の作品で、ヒットラーの名前を一度も出さずにその支配下にある人たちの生活を描いた傑作だった。

三谷は「真田丸」第5回を、本能寺の変後のわずか2日の間、突然の軍事クーデターで、トップを失った人々がどうするか、ユーモラスに描きだした。
それを、昌幸率いる真田一家と徳川家康一行(内野聖陽)、後に運命の戦いをする2組の、各々の命からがらの行動を交互に描いたのは狙いであろう。
信長死すの情報が、迅速かつ正確に各所に伝わらないことを前提に描いているのもリアルだ。

決死の神君伊賀超え


まず、家康のターンーーいわゆる【伊賀超え】は、徹底して喜劇的だった。
信長が討たれたかもしれないと聞いた家康は、もし信長が生きていたら助けにいかないと後がこわいと言いだすとか、落ち武者狩りをおそれた穴山梅雪(榎木孝明)が、落ち武者狩りにあってしまう皮肉だとか、
“半蔵(浜谷健司)「全力で押しとおりまする」
家康「またか」
みんなで、わー、わーと押しとおる。“
など、半ば自棄になって逃げる家康たち。ついには、へとへと、ドロドロになって亜茶局(斉藤由貴)の膝に頭をうずめ「死ぬかと思った」と言う家康。

ライター情報

木俣冬

著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』、ノベライズ『リッチマン、プアウーマン』『デート~恋とはどんなものかしら~』

URL:Twitter:@kamitonami

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