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「真田丸」7話。3人のカットが多い理由

2016年2月28日 09時50分 ライター情報:木俣冬
NHK 大河ドラマ「真田丸」(作:作三谷幸喜/毎週日曜 総合テレビ午後8時 BS プレミアム 午後6時)
2月21日放送 第7回「奪回」 演出:田中正

6回の16.9%から、7回は17.4%と、迷走から奪回。サブタイトルと視聴率を連動させるとは、どこまでエンターテイメントしているのだろう!

調子の良かった7回は、滝川一益(段田安則)が、北条討伐に向かう隙に、沼田城、岩櫃城の奪還を狙う(冒頭のテロップより)真田昌幸(草刈正雄)の大勝負の中で、奮闘するも失敗続きの源次郎・信繁(堺雅人)の姿が描かれた。

背景にあるエピソードは、【天正壬午の乱】という、本能寺の変の後、持ち主がいなくなった旧武田領(甲斐、信濃、上野)をめぐる近隣諸大名の争い。この乱に関するドラマが、三谷幸喜の「真田丸」の特異な部分であることを、堺雅人は、以前、インタビュー
でこう語っている。


「歴史劇を描く時、たいていは史実をなぞりますから、俳優も、あらかじめ、勝者は勝者の顔をし、敗者は敗者のような顔をして演技をしてしまいがちです。実際のところは、一寸先は闇で、先のことはわかりません。三谷幸喜さんは、そのわからない“闇”を見つめる作家です。例えば、織田信長が本能寺の変で死んだ後、『天正壬午の乱』という戦いが起ります。でもそれは敗戦処理みたいなもので、たいていの映画やドラマでは1話もかけずに済まされてしまう。でも、三谷さんはそこに3話もかけているんですよ。その戦いが実に面白くて、僕ら俳優も、歴史をわかったふりをせず、その瞬間、瞬間、何が起るかわからないように生き生きと演じていきたいと思わされました」

沼田、岩櫃城を返すと一益に言われ、こんなことなら、嘘をついて急いで城を取り返さなければよかったと後悔する昌幸。
そのせいで、人質になっているとり(草笛光子)が危なくなってしまった。祖母を救いに、小諸城に向かう信繁の、父同様、嘘ばっかりついて、城中で立ち回る小気味よさ、ことごとく裏目に出るきり(長澤まさみ)の不器用さ、とりと木曽義昌(石井愃一)の意外な関係。厠に行きたくてもいけない見張りをしている下級武士の立場、嫁(高畑淳子)と嫁(長野里美)の辛気くさい食事・・・と細かい人間描写がたくさん出てきて楽しい。
3話もかけて三谷が何に挑んでいるかといえば、この時代に生きている様々な人々のアクチュアルな姿だ。余談ではあるが、こういうところも、基本、身分の高い者を中心に描きつつ、門番とか乳母とか召使いとか下々の者のこともしっかり描くシェイクスピア劇を彷彿とさせる。

ライター情報

木俣冬

著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』、ノベライズ『リッチマン、プアウーマン』『デート~恋とはどんなものかしら~』

URL:Twitter:@kamitonami

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