朝ドラ「あさが来た」(NHK 月〜土 朝8時〜)3月14日(月)放送。第24週「おばあちゃんの大仕事」第139話より。
原案:古川智映子 脚本:大森美香 演出: 新田真三
大人気宜ちゃんは、あの映画でも眼鏡っ娘でした「あさが来た」139話

139話はこんな話


あさ(波瑠)は、女子大学設立と千代(小芝風花)のお見合い実現のため、大隈重信(高橋英樹)を訊ねる。話を訊いた、妻の綾子(松坂慶子)は・・・。

今後の展開どうなるの?


最終回まで、いよいよ、あと3週間をきった。
本来なら、結末に向けてひと盛り上がりある頃だと思うのだが、「あさが来た」はなんだかまったり。大きな物語がなく、小さな物語の組み合わせで、ひとつひとつは楽しいけれど、どうもパンチに欠ける。まあ、朝から、ステーキ食べる人も少ないだろうし、美味しいパン食べ放題って感じがいいのかもしれない。
よの(風吹ジュン)のお願いで、千代が東柳(工藤阿須加)とお見合いをすることができそう、でも自信がない千代、なんてエピソードは、フルーツのような味わいである。出会いがりんごちゃんだしね。

できたら、シンプルながら献立を考え抜かれた老舗旅館の朝食みたいなドラマを見たいが、エッグベネディクトでもパンケーキでもいい。ところが、どうにも、女子大学設立話がそういう感じにすらなりそうにない。
そういえば、大河ドラマ「花燃ゆ」も主人公夫婦が明治期に幼稚園を設立する話までは描かず、説明で終わらせてしまっていた。教育機関設立話はドラマに向いてないのだろうか。

宜ちゃんの前身はこれ?


長期連載は難しい。
宜ちゃんが夢中の新聞小説「金色夜叉」は、1897年から1902年までという長期連載だった(しかも作者が途中で亡くなったため未完)ことを、凄いと思う。

宜ちゃんといえば、演じている吉岡里帆が、12日に滋賀県のびわ湖開きのイベントで、一日船長をつとめ、役の中性的な眼鏡っ娘イメージと、眼鏡を外したときの涼やかな美少女のギャップが話題になったらしい。
眼鏡っ娘役でイメージ一新、人気を博したといえば、「ごくせん」の仲間由紀恵がいる。まっとう過ぎる美人さんが、むしろ地味に見えてしまうところを、眼鏡で外すと愛嬌が出るものだ。
吉岡里帆は、ももクロ主演、本広克行監督で話題になった映画「幕が上がる」(15年)でも眼鏡っ娘役で出演しているものの、この時は、哀しいほど目立たなかった。
ボブに眼鏡が似合っていて、出番が少ないのが惜しいほどだが、きっと、眼鏡っ娘の魅力描写は、先生役で出ている黒木華で手一杯になってしまったのだろう。
映画の最後、高校演劇部部員役の吉岡里帆は、少々、成澤(瀬戸康史)みたいな衣裳を着て、鞄を斜めがけしており、「あさが来た」の宜ちゃんの片鱗を感じさせる。
もし、この時の彼女を見て、今回、宜ちゃんにキャスティングしたとしたら、その人はなんという目利きであろうか。
(木俣冬)

木俣冬の日刊「あさが来た」レビューまとめ読みはこちらから