週刊少年ジャンプで連載中の原作・附田祐斗、作画・佐伯俊のコンビによる人気マンガの第2シリーズ「食戟のソーマ弐ノ皿」の第8話が放送された。秋の選抜三つ巴の決勝戦。
お題の秋刀魚は、一色先輩が三者三様に得意って言ってたのにソーマだけ分が悪すぎる。
なぜ創真は睨みつけるのか、そこがいいのだ「食戟のソーマ弐ノ皿」8話

定番!目利き対決!


決勝戦が行われるのは10日後。創真は秋刀魚を買出しに、田所恵と朝早くから魚河岸に出かける。そこで出会ったのは決勝で戦う相手の一人、黒木場リョウとそのパートナーの薙切アリスだった。黒木場は目利きの勘を鈍らせないためにほぼ毎日魚河岸に来ているという。

そんな黒木場の前で創真は得意気に秋刀魚の目利きを語り、「この秋刀魚が間違いなくこの店一番だ」と、一匹の秋刀魚をチョイスする。しかし、海鮮料理のスペシャリスト黒木場が選んだのは別の秋刀魚だった。


どっちの秋刀魚が美味いか、その場で刺身に調理し目利き勝負を行うことに。審査員は田所恵だ。しかし、結果は黒木場の秋刀魚に軍配があがる。歯応えが違ったのだ。アリスいわくその理由は「硬直指数」と「身の強度」にあるという。

秋刀魚は活き締めにしてから5時間以上経つと急激に身の強度が落ち、歯応えが悪くなっていく。
しかし、死後硬直が解ける時間は10時間以上経ってから起こり、それまではいくら身の強度が落ちていても、見た目には硬く見える。これを見抜くには長年の経験が必要だという。

一方、もう一人の決勝進出者である葉山アキラも、研ぎ澄まされた嗅覚を武器に目利きならぬ鼻利きで、最高の秋刀魚を選び抜いていた。残りの10日間で目利きの腕を上げる事は難しいと判断した創真は、燻製のスペシャリスト伊武崎峻、麹料理を得意とする榊涼子、熟成肉に精通している水戸郁美をムリヤリ集め、秋刀魚の熟成に挑む。

出た!創真の主人公力!


創真は自分の目利き力の無さを痛感させらてしまった。しかも、それは得意気に目利きを語った直後にだった。
「将太の寿司」の将太なら自分の不甲斐なさに黙り込んでしまうところだろう。「鉄鍋のジャン」のジャンなら顔を歪ませ涙を流しながら悔しがるかもしれない。「中華一番」のマオだったら河原で死んだお母さんの事を考えてしまうはずだ。

しかし、創真は違った。なんと敵である創真に塩を送ってくれた黒木場を、あろうことか睨みつけたのだ。しかも「くっ!まだまけてねぇぞ!」の睨み方ではなく、「あ?だからなに?」の上から見下ろす睨み方だ。
ちなみに創真は、黒木場達が去った後「マジでやべー」と狼狽している。

しかし、睨みつけたのは別に嘘だったわけでも虚勢を張ったわけでもない。主人公である幸平創真の主人公たる根本的な部分に関係してくる行動だ。

創真の発言の一つに「失敗という経験を得た」という言葉がある。これは最終的に美味い物を作れれば良いという考え方に基づいた発言であり、結果に至るまでのプロセスでどれだけ屈辱を味わってもいいという創真の料理に対する覚悟を表した発言だ。

つまりあの睨みつけには「あ?だからなに?」だけではなく、「あ?だからなに?あんたの目利きがすごいのはわかったよ?でも、まだ勝負は始まってもいないんですけど?なんでそんな得意気に上から目線なの?決勝戦では俺もっと美味いもの作るよ?」という意味が含まれているのだ。


創真ファンとしてこのシーンは堪らない。さすがは少年ジャンプの主人公。エロいシーンや、美味しそうな料理のシーンだけでなく、こういう所が少年ジャンプで連載を続けれる理由だろう。

その後の創真は、工夫や目利きに追われてドタバタと10日間を過ごす。そして決勝戦当日、相手の二人が抜き身の刀のような最高の秋刀魚を用意したのに対し、もさもさの何やら黄色いものを創真は取り出した。果たしてその秋刀魚は一体なんなのだろうか?続きは次回のお楽しみ。

(沢野奈津夫)