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「べっぴんさん」113話「すべて含めて、悦子ですから」(照)

2017年2月17日 10時00分 ライター情報:木俣冬
連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第20週「旅立ちのとき」第113回 2月16日(木)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:梛川善郎
イラスト/小西りえこ

113話はこんな話


明美(谷村美月)にフラレてしまった武(タケ)ちゃん(中島広稀)はついにお見合いをする。

それぞれの未来に乾杯 (二郎/林遣都)


15歳から29歳まで、ひとりの女性(明美)を15年近くも思い続けてきたタケちゃん。なんて長くて純粋な恋なんだ。でも、明美にびしりと言われてしまい、諦めて、ほかの人との結婚を考え始める。こんなに長く思っていたのにちょっとあっさり過ぎないか。

同郷・大分から集団就職で出てきて(ちなみに次作「ひよっこ」のヒロインは集団就職する設定)大急で働いているたみ子(鎮西寿々歌、兵庫県出身)とヨーソローでのお見合い。
明美はそこについて来て、武ちゃんのいいところ「真面目である。誠実である。努力家である。思いやりがある。穏やかである。楽天家である。前向きである。みんなから好かれている。みんなから応援されている。きっといい父親になる。きっといい夫になる。幸せな人生を送るに違いない。以上、友人代表小野明美」
を発表し、スタスタと去っていく。

ヨーソローで武ちゃんをふったとき、栄輔が意味深に見ていて、なに? いや、みたいなやりとりがあったけれど、明美が意地張っていることを見抜いたのか。明美は武ちゃんが大事過ぎるからこそ、距離をとりたいのではないか。まさか年上の自分が先に死んで武ちゃんを悲しませたくないなんてとこまで考えていたら驚く。栄輔もおそらく潔やすみれやさくらが大事過ぎたから距離をとっているのではないか。
ペットの犬や猫の死を経験したひとが二度と飼わないってことはけっこうあって、その感覚に近いのだろうけれど、明美のそれは、いわゆる「呪い」というやつではないか。自分をある観点で縛ってしまい、そこから先に進めなくなっている。呪いを解いてもっと自由に幸せになってほしいと願いつつも、大事な人との別れがいやだからたったひとりで生きていくっていう考え方もあっていい。
野生の動物はひとりで死んでいく。
夜、「長い片想いの終止符にひとり祝杯をあげるタケちゃんなのでした」(はな/菅野美穂)で、月夜に112話にも出てきた猫がうろうろ(いやに重心を低くし歩伏前進してるみたいでおかしい)。
「どこいったんじゃ もったいねえ」って猫に与えた食べ物まで口に入れてしまう武ちゃん。

ライター情報

木俣冬

著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』、ノベライズ『リッチマン、プアウーマン』『デート~恋とはどんなものかしら~』

URL:Twitter:@kamitonami

コメント 8

  • みぃ 通報

    武ちゃん、下に置いて猫にあげようとしたおつまみ、猫がいないからってパッパッとはらって自分で食べちゃった…おもしろ過ぎて頭から離れない(笑)

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  • c 通報

    明美さんが武ちゃんのいいところを言ってくれたのはよかったけど、逆にお見合い相手の女性は、「これだけ武ちゃんをわかっているこの女性は一体…」って思わなかっただろうか。。。

    9
  • みぃ 通報

    武ちゃんはお見合いして吹っ切ろうと努力してるね。その席で明美さんが武ちゃんのいい所をたくさん読み上げてくれて本当に嬉しかったね。紀夫くんも歌のうまさを褒めてくれたけど『歌って差し上げろ』は、ないよね。

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  • 匿名さん 通報

    キアリスガイドのときの明美さんの文体がここで生かされるとは!

    7
  • みぃ 通報

    武ちゃんが傷心を癒す間もなくお見合いも決まってしまいましたね。本当は、もう一波乱あって明美さんの心が武ちゃんの方へ向かうことを期待していたので、ちょっと残念です。

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