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「ひるね姫」神山健治監督「映画って個人的な動機で作ってもいいんだ」

2017年3月25日 10時00分 ライター情報:丸本大輔
3月18日から公開中の神山健治監督、最新作「ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜」
神山監督インタビューの後編では、ネタバレ要素も含みながら、さらに制作時のエピソードなどを聞いていく。
(前編はこちら
神山健治(かみやまけんじ)/アニメーション監督。2009年放送のオリジナルTVアニメ『東のエデン』でも原作、監督、脚本を担当。漫画家の羽海野チカとのコラボも話題を集めた同作は映画化もされている

SNSに書き込むことが魔法の起きるきっかけ


──戦辺の狙っているタブレットが、夢の世界では、物や機械に命を与えられる魔法のタブレットになっているのも面白い設定です。現実のタブレット自体、まるで魔法の道具のような存在なので、ファンタジーとテクノロジーの2つが組み合わさっているような……。
神山 僕らの世代だと、あんな板みたいなもので、いろいろとできちゃうこと自体が魔法だなと思いますよ(笑)。SNSなどが発達してきて、そこに何かを書き込むことで、現実の世界でもいろんなエフェクト(結果)が起こるじゃないですか。炎上したり、逆に見知らぬ誰かを助けようみたいな人が集まったり。だから、SNSに言葉を書き込むことって、1つの魔法が起きるきっかけのようだなと感じたんです。僕は、ファンタジーの世界や魔法を設定する時も、どこかで現実と結びついてないとしっくりこないというか……。先ほどもお話ししましたが、いくらでも広がっていっちゃうんですね。
モモタローがジョイの背中の中に隠して、ココネに託したタブレット。登録されていたSNSに「新幹線で東京に行きたい」「お弁当食べたい」と書き込むと、それが実現。ココネは魔法みたいだと喜ぶが……

──だから、「物や機械に命を与えられる魔法」と、魔法の力の範囲を限定したのですね。
神山 ココネが見ている夢の内容は、昔、モモタローが話して聞かせたお話だったわけですし、子供に聞かせるお話の中の魔法としては、何でもできる方が良いんです。でも実際の物語を作る中では、具体的な縛りがあった方がいい。それで、構成を進める中、(クライマックスで)ココネが言う魔法の呪文を何にしようということになった時、そのまま「送信」で良いんじゃないかなって(笑)。きっと、モモタローがお話を聞かせていた時、メールをシュッと送信して、「ほら、願い事の魔法が飛んでいったよ。これで願いがかなうんだよ」とか、やって見せたんじゃないかなって。それが、そのまま設定になった感じです。
──ココネが大事にしている犬のぬいぐるみのジョイも可愛いですよね。夢の世界では命を持っていて、釘宮ボイスで元気に動きますし。
神山 ジョイは、ペットキャラもいた方が良いよねというところで生まれたキャラクターではあるのですが、登場する必然性が無いキャラクターは出したくないとも思っていたので、すべてを見てきた重要なキャラクターにしました。

ライター情報

丸本大輔

1974年生まれ。フリーライター。瀬戸内海で生まれ育ち、現在は東京の西側在住。インタビューを中心に活動。得意ジャンルは、アニメ、マンガ、サッカーなど。

URL:Twitter:@maru_working

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