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萌えじゃないのか「セントールの悩み」幼児たちが「民主主義」を叩き込まれる教育環境を描く3話

2017年7月30日 10時00分 ライター情報:たまごまご
どこからどうみても萌えアニメなのに、人間社会の難しすぎる問題にザクザク切り込んでいく、ゆるふわ風刺SFアニメ『セントールの悩み』。外側ふんわり中身はハード。
今回の話題は「民主主義」
『セントールの悩み』公式HPより

民主主義の道徳教育


小さい子どもたちがいっぱい出てくる癒やし回、と思わせておいて、幼児たちが「民主主義」を叩き込まれる教育環境とはどのようなものかを描いた回でした。

序盤。ケンタウロス族の少女・姫乃が、いとこの幼稚園児・紫乃に、ごく普通の絵本を読んでいる。
「英雄は故郷に帰ると憲法を制定し、元お姫様と獣たちと末永く、民主的に暮らしました。おしまい」
これはおそらく、「お姫様と末永く幸せに暮らしました」というだけの文章なのだろう。
絶対王政ではないことを明示。「お姫様」と階級を作らない。平等だよ、民主的だよ、と気を使いまくった結果、いびつになったのでは。

この作品の世界は、差別による惨劇を繰り返してきたことで生まれた、法による平等が絶対的な社会。種族間の上下関係を絶対許さない。「民主的」という言葉を掲げて、「命よりも平等が大事」とまで謳っている。
大人たちがこの価値観を当たり前として受け入れているのは、学校のカリキュラムに組み込まれ、本やテレビなどの情報も法律で統制されているから。1話(原作では2巻)でも、平等教育の授業が描かれていた。

TVアニメが流すもの


『セントールの悩み』公式HPより。この世界の女児向け魔法少女は、民主主義のために戦います

作中で子どもたちが見ているアニメ「魔法少女プリティホーン」
「目覚めよ倫理の力。導け法と論理。叶えよ、最大多数の最大幸福」
変身シーンの決め台詞。盛り盛りですね。

学校で多数決を取った際、少数派の意見を聞かなかった相手が変異し、「民主主義空間」を歪めてしまう。
「正しい民主主義」ではない罪だとしている。

原作6巻では、もうちょっと細かく、露骨に描かれている。
多数決を言い出した生徒の間で、事前の談合があったらしい。
陸上生活者の意見ばかり尊重していると、マイノリティである人魚型が困るのではないか、とクラス内の意見も割れる。

「多数派」「少数派」の意見を「公平」に反映するため、プリティホーンは戦う。
結果として、歪んだ民主主義を必殺技「Sevret Vote(無記名投票)」で切り裂き、多数派少数派どちらも楽しめる競技を発明。
めでたしめでたし。

もっとも、見ていた幼稚園児の感想は「わるものやっつけた」。わるものかー、そう見えるよなー。
愛・正義・希望・夢などの代わりとして据えられている「民主主義」。

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ライター情報

たまごまご

フリーライター。「ねとらぼ」「このマンガがすごい!WEB」などで執筆中。ひたすらに、様々な女の子の出てくるマンガを収集し続けています。

URL:たまごまごごはん

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