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松本潤×有村架純「ナラタージュ」小川真司Pに聞く。実験作から大作まで時代切り拓くヒット映画を作る方法

2017年10月7日 10時00分 ライター情報:木俣冬
恋愛を超えて、生きることを描いた映画「ナラタージュ」。プロデュースしたのは、00年代以降のヒット映画の成功パターンを作り続けてきた、才人・小川真司。時代のちょっと先をいく、プロデュース術について聞いた。
前編はこちら

「ナラタージュ」
原作 島本理生(「ナラタージュ」角川文庫刊)
監督 行定勲
出演 松本潤 有村架純 坂口健太郎ほか
10月7日公開

───「ナラタージュ」は、大人の恋愛映画ということですが、若い観客は狙ってないのですか?

小川 島本理生さんの原作小説をリアルタイムで読んでいた人たちも、おおむね、30代以上になっていますから。ただ、10代でも一定数の方がこの作品にハマると思います。

───若者が観る低予算の恋愛ものよりも、予算は多かったんですか。

小川 今回、それなりの(といっても普通の)予算が確保できてよかったです。なんといっても、富山でロケができてよかった。この映画は、地方ロケじゃないと成立しないと思っていましたから。都内近郊ではスケール感がでないし、ファンタジーというかどこか別の世界の出来事のような感じにならない。懐古的な回想に乗った少しドロドロとした内容なのでファンタジー感でオブラートに包んで、映画としてのフィクション度を上げていかないとなりません。例えば、最後のシーンで、原作とは違うのですが、市電が走っているのが効果的だったりとか。忙しい松本潤くんが撮影後、すぐに新幹線で帰れる場所、という点においても、富山は最適でした(笑)。
印象的な市電

───松本さんのスケジュールを加味してのロケ地。今、ちょうど行きやすくなりましたからね。

小川 ちょうど高岡が行きやすくなっていて。実際、行ってみたら、いい塩梅に昭和感が残っているんです。ほぼほぼ高岡で撮って、あとは、射水市や富山市で撮りました。

───小川さんは、村上春樹の映画化「ノルウェイの森」「10年」など、常に冒険しています。とりわけ、「ピンポン」(02年)は漫画の実写化のさきがけだったと思います。

小川 いまはもう違いますけれど、当時のアスミック・エースはまだインデペンデント色が強い会社で、メジャーなところといかに勝負するか、そのために冒険することが最初の頃からのテーマで、「トレインスポティング」(96年)などをもそうですけど、新人監督を起用したりする風土でした。だからずっと監督や俳優も、いいと思った人を先物買いしてたんですね。「ピンポン」も、「トレスポ」の成功体験によってできたものです。「ナラタージュ」も10年近く行定さんが抱えながら、なかなか実現しない企画で、最終的に僕のところに来たものですが、「ピンポン」も他でボツになった企画を、アスミックが引き受けたんですよ。

ライター情報

木俣冬

『みんなの朝ドラ』5月17日発売。その他の著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』など。

URL:Twitter:@kamitonami

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