「ハーモニーパワーを高めて、小さなお友だちも大きなお友だちにも、プリキュア魂を届けたい」。受け取った、受け取ったよ! たしかに「プリキュア魂」を受け取った!

2011年12月27日(火)、「23人のプリキュアがダンスライブ!プリキュアオールスターズDXコンサート~みんなで歌って踊って 主題歌オンパレード!~」が大宮ソニックシティで行われた。

歴代「プリキュア」シリーズの主題歌を担当した7人と、23人のプリキュアが大集合するライブだ(出演歌手座談会はコチラ)。
本来は、2011年3月30日に行われるはずだったこのコンサート。震災の影響で延期されていたのが、今回、9ヶ月遅れで無事開催されることになった。正直、中止になったんだと思ってた。
当日、会場に来ていた鷲尾天プロデューサー。そして3人の作詞家、青木久美子さん、只野菜摘さん、六ツ見純代さんへの直撃インタビューも敢行! 合わせてお伝えしちゃいます。


まだ1月7日(土)の柏市民文化会館公演も控えているので、「セットリストですらまだ知りたくないよー!」って人は、ご注意を! 7日の柏公演を観たあとにまたこの記事に戻ってきてね。このレポとの違いを比べるのも面白いかも。


3月17日ロードショーの「映画 プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち」の予告映像が流れ、ライブスタート!
「スイートプリキュア♪」のオープニングで工藤真由さんが登場。20代前半とは思えない抜群の存在感、迫力ある歌声。現在、「プリキュア」を背負って立っていると言っても、間違いじゃない。トップバッターはこの人しかないだろう。
主題歌「ラ♪ラ♪ラ♪スイートプリキュア♪」にあわせてキュアメロディ、キュアリズム、キュアビート、キュアミューズが舞台上にあらわれると、「プリキュアー! ミューズー!」と子どもたち大興奮。

最初の曲が終わり、五條真由美さん、うちやえゆかさん、宮本佳那子さん、茂家瑞季さん、林ももこさん、池田彩さんの6人と、19人のプリキュアたちがステージ上に現れる。

五條真由美さんが「ふたりはプリキュアMaxHeart」の「DANZEN!ふたりはプリキュアMaxHeart」を歌う。「DANZEN」を聞くといつも、涙が流れてしまう。なぜだろう。鳥肌が立ち、鼓動がはやくなる。
初代「ふたりはプリキュア」「MaxHeart」と、最初の2年間「プリキュア」の主題歌をひとりで立ち上げ、支えてきた五條さん。そっか、俺の「プリキュア魂」は、ここから生まれたんだ。
そのあとも、各歌手がそれぞれ自分のシリーズのテーマソングを歌う。

「歌手やプリキュアのみんながあつまって、お客さんたちといっしょに歌えるステージはすごく貴重ですし、これからも続けて欲しいです。初代『ふたりはプリキュア』を知らない子どもたちも、このコンサートで『プリキュアはこんなにたくさんいるんだ!』って思ってもらえるとうれしいですね」
とは、青木久美子さん(主に「ふたりはプリキュア」「ふたりはプリキュアMaxHeart」「ふたりはプリキュアSplash☆Star」「プリキュアオールスターズDX」主題歌を担当)。

歌詞をつくり、それを歌手が歌う。
しかも今日はコンサート。大勢のファンが歌詞を耳にするのをリアルで見る。それってどういう気持ちなんだろう……?

「プリキュアモードにSWITCH ON!」。はいはーい。ニンテンドーDSの「Yes!プリキュア5GoGo! 全員しゅーGo!ドリームフェスティバル」の主題歌だ。映像での「プリキュア」最初のオールスターズ、ここテスト出るよー。
あの当時はプリキュアもまだ11人。大集合映画をやると、思ってすらいなかった時期。「プリキュア……増えたなあ……」


コンサートは2部形式に分かれている。第1部のあと、15分程度の休憩を挟んで第2部。
「ふたりはプリキュア」のエンディングテーマ、「ゲッチュウ! らぶらぶぅ?!」をバックに23人のプリキュアが舞台袖から登場。

「キック、キック、お手々をパンパン。
ジャンプ、ジャンプ、かわいくポーズ」。
メロディ、リズム、ビート、ミューズたちによるレッスン。子どもたちは席から立ち上がり、元気いっぱい踊りまくる!
「#キボウレインボウ#」(「スイート」)、「ハートキャッチ☆パラダイス」(「ハートキャッチ」)、「You make me happy!」(「フレッシュ」)、「ガンバランスdeダンス~希望のリレー~」(「5GoGo」)と、「プリキュア」の歴史をさかのぼる形ではじまっていったダンスメドレー。子どもたちは最近の曲しか踊れないんじゃないかと思っていたら、ぜんぜんそんなことはなかった。3年も前の「ガンバランスdeダンス」を踊れる子もいた。隣の席の子なんて、プリキュアたちの鏡写しじゃなくて、ちゃんとした振り付けで「You make me happy!」をマスターしていた。

さて、コンサートも折り返しを過ぎた。座談会で、池田さんが言っていた〈「プリキュアオールスターズ 3Dシアター」を再現したようなステージ〉のはじまり。
2011年夏、さまざまなイベント会場で上映していた「3Dシアター」。22人のプリキュアが3Dになり、10分間ダンスダンスダンス! その「3Dシアター」を同じ曲順、振り付けで完全再現しているのだ!
「プリキュアモードにSWITCH ON!」「プリキュア、奇跡デラックス」と続き、間奏部分、「フレッシュプリキュア!」の4人のヒップホップコーナー。
「振り付けをしたプランニング遊の清水さんは『このシーンの一発撮りは難しく、何度もやり直した』と言っていました」と「3Dシアター」の監督、宮原直樹さんが以前語っていたのを思い出した。
それを見事に踊りきっていた。大人たちからも「おおおぉぉ~!」という声が。ほんとすごかったよー!
これは絶対、直前に「3Dシアター」を見直しておいたほうがいいよ、観るべし!

しかし、このコンサート。当初予定されていた3月30日公演だったら、「3Dシアター」の曲で踊るプリキュアを観ることはなかったんだよなあ。

「もともとは2011年の3月30日に行うコンサートだったけど、震災の影響で延期になってしまった。ファンも出演者も、みんな心待ちにしていました。ほんとうに今年中(大宮公演は2011年12月公演)に実現してよかった。リハーサルの時間も決して多くなかったと思います。でも、こんなに完成度の高いステージになった。『プリキュア』の団結力、改めてすごいなと感じました」
とは、六ツ見純代さん(主に「フレッシュプリキュア!」「ハートキャッチプリキュア!」「スイートプリキュア♪」主題歌を担当)。

「第2部の『3Dシアター』メドレー、涙なみだでした。『3Dシアター』をつくったときは、まさか生で聞けるなんて思ってなかった。『プリキュア』のミュージカルとはちょっと違う、新しい場に加えていただけて感無量です。あと、のぞみ(キュアドリーム)が好きなんで、ステージではのぞみばかり見ちゃった(笑)。加藤さんもりんちゃん(キュアルージュ)見てたでしょ?」
とは、コンサートを締めくくる「3Dシアター」メドレー。そのトリを飾る曲「Come on!プリキュアオールスターズ」の作詞を担当した只野菜摘さん(主に「プリキュア5」シリーズ主題歌や「3Dシアター」の「Come on!プリキュアオールスターズ」を担当)。只野さんは現在製作中の「プリキュア5」本でのインタビューで、俺に「プリキュアシンドローム」ということばを教えてくれた人だ(「プリキュアシンドローム」がなにかってのは、単行本の発売を待って! 2月末幻冬舎より!)。

ずっと見てました! 好きなキャラだから見ちゃいますよー。只野さん、いっしょですね。

「……アンコール、アンコール」
「アンコール、アンコール」
「アンコール! アンコール!」
じょじょに、じょじょに広がっていくアンコール。子どもたちにとってははじめてのアンコールだろうか。まだまだ夢の時間は終わらないんだよ。
アンコールの余韻もさめやらぬまま、鷲尾天プロデューサー(「ふたりはプリキュア」を立ち上げ、「Yes!プリキュア5GoGo!」まで5年間「プリキュア」シリーズをプロデュース。「映画 プリキュアオールスターズDX」シリーズや「プリキュアオールスターズDX 3Dシアター」でもプロデュースを務める)に聞いた。

「もう……ほんとうにすごかった。特に『3Dシアター』の映像をよくリアルでやりましたね。7人の歌い手さん、23人のプリキュアの息がきちんと合っていて、できちゃうんだとびっくりしました。それを、こうしてたくさんのファンや、かつて『プリキュア』に関わっていたみなさんが、いまでも見に来てくれるのはとてもうれしいです」

歌手7人で「映画 プリキュアオールスターズDX」主題歌「キラキラkawaii!プリキュア大集合♪」を歌っているとき、どことなく工藤さんの歌い方が変わった気がした。トップバッターのときとはちょっと違う。肩の力が抜けた感じ。
いままでひとりで戦っていたキュアドリームのもとに、仲間たちが集結したような、そんな姿が浮かぶ。工藤さんからのプリキュア魂、たしかに受け取った。
(加藤レイズナ)

※1月7日(土)柏市民文化会館での公演、チケットの詳細などはコチラ