いやあ、東京スカイツリー、とうとう完成したねえ! 背の高さでも人気の面でも後輩に追い抜かれちまって、先輩の東京タワーは真っ赤ンなって怒ってるらしいって、もっぱらの評判だよ。
なんで東京タワーがあるのに新しくこんな塔をおっ建てたのかっていうと、ようするに東京タワーのある周辺はもう超高層ビルだらけで、せっかくタワー先輩が電波をビンビンに飛ばしても、届きにくくなっちゃったらしいんだな。だから、高層ビルの少ない地域に新しくタワーを建てたい、ってのが理由のひとつ。
他にも、最近はワンセグだのマルチメディア放送だのといったケータイ機器向けの放送がいろいろ出てきてるんで、それを見やすくするって理由もあるらしい。まあ、細かいことはおれにはワカンネ。
それはともかく、完成したならとりあえずは見物してみるか、と思うのは当たり前。でも、いきなり行っても登らしちゃくれないんだよね。だってまだ開業してないんだもん。
じゃあ、開業当日に駆けつければいいかっていうと、それも簡単にはいかない。なにしろ展望デッキへの入場券は開業の5月22日から7月10日までは日時指定の完全予約制で、すでに大変な勢いで売れちゃってるって言うじゃない? しばらく当日券は出ないし、インターネット予約は抽選方式だし、タワーひとつ登るにもハードルが高いもんだねえ。まあ無理もないか、全高634メートルなんだから。
で、運よくチケット取れた人はまあいいとして、そうじゃない人はどうすればいいか?
唄だよ唄。唄を聴いて待つんだよ。
昔から、こういう未来を象徴する巨大建築物や交通インフラのプロジェクトがあると、それにあやかった“便乗ソング”が作られてきたんだな。横浜マリンタワーの開業を記念した『マリン・タワーで逢いましょう/田代京子』(1961年)とか、東京モノレールの開通を祝う『恋のジェット航路/和田弘とマヒナスターズ』(1964年)とか、東北新幹線の開通を唄った『夢の東北新幹線/新沼謙治』(1982年)とか、リニアモーターカーの完成を夢見る『リニア讃歌/高石省三』(1990年)とか……。
もちろん、東京タワー先輩だって負けちゃいない。覆面シンガーが唄う『東京333米(メートル)/ミラクル・ヴォイス』(1959年)、タワー観光をテーマにした『東京タワーの唄/西六郷少年少女合唱団』(1967年)、東京タワーへの憧憬をシンセに乗せてしっとりと歌い上げた『哀愁の東京タワー/遠藤賢司』(1979年)などなど、珍曲、名曲が揃ってる。…