2月21日(日本時間22日)に、マーリンズのイチローが練習中に同僚と接触し負傷するというハプニングが発生。そこでイチローが見せた気遣いに、SNSなどネット上で賞賛が巻き起こっている。
衝突した相手にイチローが粋な計らい!
イチローが外野で守備練習をしていた際、飛んできた打球を捕球するために落下地点で構え「I got it!(俺が捕る!)」と声をかけていたのだが、そこへ同じく守備練習をしていたブランドン・バーンズが突っ込んできて交錯。幸いバーンズに怪我はなかったが、イチローは右脚と腰を負傷してしまった。
今季でメジャー17年目を迎えるイチローは、過去に故障者リスト(DL)入りしたのはわずか1度だけで、滅多にアクシデントを起こしたことがない。しかも今回のケースはよりによって、レジェンド級のとなったイチローを、1月にマーリンズとマイナー契約を結んだばかりで、招待として練習に参加していたバーンズが怪我をさせてしまったというかなり気まずいケース。地元紙「マイアミ・ヘラルド」電子版には、「レジェンドのイチローをトレーナー室に初めて送り込んだ人に自分がなってしまうなんて……しかもまだキャンプは5日目だ」「本当につらい」と落ち込んでしまったバーンズのコメントが掲載されていた。
そんなバーンズを気遣ってか、イチローを含むチームメイトが彼をからかう行動を起こした。ロッカーからネームプレートやシューズなど荷物を全て片付けてしまい、「You're Cut! Good Luck in KoreA(お前はクビだ! 韓国で頑張って)」という言葉を書いた紙に、イチローからサインをもらってロッカーに貼り付けたのだ。
するとクラブハウスは笑いに包まれ、バーンズも「(貼り紙を)自分の部屋に飾るよ。最高だね」と冗談が言えるまでメンタルが回復した様子。イチローはこれについて「アメリカっぽいよね」「これで少しでも彼の気が楽になるといいです」「彼の申し訳ないという気持ちは分かっていますから」と話していた。
この出来事が日本で報道されると、ネットでは「イチローの器デカいな」「マーリンズの雰囲気が良いんだろうなー」「レジェンドのイチローがこんな感じでフランクだと若手はやりやすいだろうね」とイチローに対する称賛の声が相次いだ。
「職場にイチローみたいな上司くれ」
周囲から尊敬される立場になっても、故意ではないとはいえ怪我の原因を作った若手を怒らず、逆に相手を気遣った姿勢には「上司にしたいランキングに入るのも頷ける」「職場にイチローみたいな上司くれ」という意見もあった。
実際、明治安田生命が新社会人に対して行っている「理想の上司」アンケート調査では毎年のように上位に入っているイチロー。
その理由としてよく挙げられているのが「態度や姿勢が尊敬できてお手本になる」「仲間に対し厳しくも優しくもあるところ」といったものだ。
厳しい一面といえば、2006年のWBC合宿中に、当時レッドソックスに入団しイケイケだった松坂大輔に対してイチローが「深いところでなめてやってるだろ」と注意していたエピソードがある。