木曜日のつぶやき6・パワハラ考 - ピックアップコラム

2012年2月9日 00時05分 (2012年2月9日 10時36分 更新)

 厚生労働省のワーキンググループがこのほど発表したパワハラに関する報告書をみて、「日本の会社もここまで来たか」とやや暗澹(あんたん)たる思いになった。

 まず、定義が「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係など職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・肉体的苦痛を与える。または職場環境を悪化させる行為」。むずかしい言い回しだが、要するに職場の上司が部下をいじめ、ぶん殴ったり、ノイローゼにさせたりすることを言うようだ。

 具体的には6パターンを挙げているが、暴行、傷害、脅迫、侮辱などはわかるが、ひどい暴言、隔離、仲間外し、無視などになると、そろそろ考えてしまう。そして、業務上不可能な仕事の強制、能力とかけ離れた仕事の強制、私的なことに過度に立ち入ることとなると、本気で考えてしまう。

 確かに、上司が「お前なんか死んじまえ!」「給料ドロボー!」などの罵声を部下に浴びせるのはまずいとは思う。しかし、「業務上不可能な仕事の強制」などと言われても、経験の浅い若手社員に新しい仕事を覚えさせる場面はいくらでもあり、失敗したり間に合わなかったりすれば、文句のひとつも言うだろう。

 今回の報告でもうひとつ奇異な感じを受けるのは、IT専門の部下が、IT音痴の上司に意地悪して教えないといった「部下→上司」のケースもパワハラになるとしている点。まるで漫画の世界だが、そんなことでノイローゼになる上司なら、会社なんか辞めた方がいい。ついでに、それほど陰湿な部下なら、策を講じて道連れにすればいいじゃないですか。

 セクハラの時もそうだったが、要はどこまでが「業務の適正範囲」なのか、会社や職場のコンセンサスが取れないまま、具体的な問題が起きてしまい、こじれるケースが多いようだ。どちらも、日ごろからの人間関係が伏線としてあり、同じ注意をされても「激励」と取るか、「パワハラ」と取るかは、その人間関係次第という側面がかなりありそうだ。

 私自身、メディア関連の仕事をしていたが、上司と口論になれば灰皿やゴミ箱が飛んできたし、酒席ともなれば日ごろ仲の悪い連中同士の流血の殴り合いも珍しくなかった(今となっては懐かしい)。ただ、自分がされて嫌だったことは、上司になってから極力しないよう努めてはきたが。

 どちらかと言えば、上司のみなさんに同情したい気分になるが、それも給料のうち。給料日には「今月もよく我慢したなあ」と自分をほめましょう。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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