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JR北海道「扇形機関庫」を解体 また貴重な鉄道遺構が消える

2016年11月20日 09時00分 (2016年11月20日 16時11分 更新)

解体が決まった扇形機関庫

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 JR北海道は18日、単独では維持困難とする10路線13区間を公表した。厳しい財務状況の中、またひとつ貴重な鉄道遺構がその姿を消そうとしている。札幌市東区の苗穂運転所(旧・苗穂機関区)にある扇形機関庫だ。現在、解体に向けた準備が着々と進められている。

 扇形機関庫とは、蒸気機関車を格納するために造られたもので、扇形の格納庫となっている。一般的に扇形庫には、機関車を格納する時に使われる転車台が付属しているが、これは電気機関車と違って蒸気機関車には、前後の区別があるためだ。その進行方向を変えるには転車台が必要となっている。

 同扇形庫が竣工されたのは1936年。その年には、苗穂機関区が開設されている。JR北海道本社広報部広報は「解体することになってしまったのは、施設がかなり劣化・老朽化していたからです。中に入ることも危険な状態だったので、このようなことになりました。移築や保存の計画は全くありませんでした。本社の財務状況を考えると、考慮の余地もありませんでした。今年度中には、解体が完了する予定です」と説明する。

 現在、全国に現存する扇形庫は、苗穂運転所のを含めて12か所ある。現役で使用されているものもあれば、既に役目を終えてひっそりとたたずんでいるものもある。

 北海道で蒸気機関車の運転に携わっていた80代の男性は「やはり扇形庫がなくなってしまうのは寂しいですね。蒸気機関車の全盛期を象徴するものです。客車や貨車を引いて走る任務が終わると、よくここに戻って来ました。勾配の続く山線を走ったときや、いてつくような寒い日には、『今日も一日お疲れさま。ありがとう』と声をかけてあげたものです。長年ご苦労さまでしたという言葉しか思い浮かびません」と懐かしんだ。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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