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「ポニョの故郷」で起きた環境問題とジブリの沈黙

2008年10月26日 08時00分 (2008年12月2日 11時00分 更新)

鞆の浦の天然の円形港湾。古くは万葉集に
詠まれ、江戸時代には、朝鮮通信使に「日
東第一形勝」と絶賛された。宮崎監督はこ
の地を気に入り、単身で長期滞在し、『ポニ
ョ』の構想を練っていたことが、NHKの『プロ
フェッショナル』などで報じられている。

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 大ヒットを記録している『崖の上のポニョ』。現在、同作の構想を練るために、宮崎駿監督が長期滞在したという広島県福山市・鞆の浦(とものうら)にファンなどの注目が集まっている。滞在のエピソードや、作品中随所に見られる鞆の浦をモチーフにしたような風景等から、「『ポニョ』の舞台では?」との噂が広まり、訪れる人が増えているのだ。


 そんな鞆の浦で、埋立架橋工事の計画が進行している。万葉集にも詠まれた絶景と、古い町並みが人を惹きつけ、『ポニョ』以前から訪れる観光客は少なくない。このため、現在の狭い道路では交通に支障を来し、住民生活が不便を強いられるとして、湾の一部を埋め立て、橋を架けてバイパスを通そうというのがその計画。自治体の説明によれば、架橋後も観光資源を保全するとしているが、橋は円形の湾を横切るように架けられるため、景観が異なるものになることは否めない。こうした計画に反対する地元住民やNPO、支援団体などが、海とは逆の、山側にトンネルを掘ってバイパスを通す代替案を示した上で、埋立架橋工事を取りやめさせるべく、裁判を起こしている。

 ジブリと環境保護運動といえば、狭山丘陵(東京・埼玉)の「トトロの森プロジェクト」が思い出される。ナショナルトラスト運動(商業的開発などから森を保護するために、財団を設立してその土地を買い取ったり、自治体に土地を買い取るよう働きかける運動のこと)の成功例として有名だが、この運動には、「トトロ」という名称の使用が許可されていたり、宮崎監督自身が財団の理事に就くなど、ジブリの積極的な支援が行われている。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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