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福島原発でベント遅れたのは首相の思いつき視察のせいだった

2011年5月31日 07時00分 (2011年5月31日 07時33分 更新)
原子炉格納容器ベントにより放射性物質の放出〉

 燃料溶融も、原子炉格納容器の弁を開けて放射性物質を含む蒸気を排出するベントをしなければ格納容器が設計最高圧を超えて危険な状態になることも官邸に伝えられていたのである。原子力災害対策本部事務局は、この2号機の予測をもとに、1号機と3号機の事故進展予測も行なっていた。

 これだけ重要で正確な情報があったのだから、その日のうちに避難地域を拡大させなければならなかったことはいうまでもない。

 それ以上に罪が重いのは、このERSS予測が、その後も公表されなかった理由だ。それがあれば住民の被曝は最小限にとどめられたはずなのだ。

 この予測が隠されたのは、ベントが遅れた理由が、菅氏の“思いつき視察”だったことを明白に示すからではなかったか。

 緊急停止した原子炉のうち、真っ先に非常用電源が止まって危機に陥ったのは1号機だった。そこで原子力災害対策本部は、ERSS予測通りに12日の「3時半」に1号機のベントを実施する計画を立てた。

 それを物語る資料がある。同日未明の1時12分、同対策本部は気象情報をもとに放射性物質の拡散予測を行なう文科省のSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)に、「3時半放出開始」という条件で、1号機のベントによる放射能拡散を予測させた。

 この時の試算図では、風は海に向かい、内陸部に放射性物質は拡散しないという結果を弾き出した。

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