「焼肉酒家えびす」運営のユッケ社長 知人の飲食店手伝い中

2011年12月12日 07時00分

この秋、全国の焼き肉店からレバ刺しやユッケなど、牛肉を生で食べるメニューが一斉に姿を消した。きっかけとなったのが、「焼肉酒家えびす」が起こした腸管出血性大腸菌O-111による食中毒事件だった。

4月末、富山、福井、神奈川で「ユッケ」を食べた117名が食中毒に感染し、5人が死亡。運営会社のフーズ・フォーラスは7月に廃業した。

事件そのものも話題になったが、大きな関心を呼んだのは勘坂康弘・元社長その人だった。

発覚直後の5月2日、「生食用の肉というのは日本に流通しておらず、加熱用の肉を殺菌のうえ、店の責任で調理するのが慣例」と説明した。続けて切り口上でこう語ったのがあまりに印象的過ぎた。

「それを踏まえ、法律で禁止すればいい。すべきです。禁止していただきたい!」

これには「開き直りだ」と批判が殺到。さらに、その3日後には4人目の死者が出たことを聞かされ、玄関先でいきなり土下座を披露。これもまた「パフォーマンスが過ぎる」と大バッシングを受けた。

以来、勘坂氏はマスコミとの接触を断った。

その後、知人を通じてインタビューを打診し続けて、「正確に報じてもらえるのなら」と、勘坂氏が応じたのは、一連の騒動から2か月が経過した頃。単独でメディアに登場したのは、唯一、本誌インタビューだけだった。

当時の記事には掲載しなかったが、勘坂氏はマスコミへの不信感を、こんな言葉で語っていた。

「しつこく追い回されるのはまだ我慢できます。でもひどいと思うのは、思わず感情的になって出てしまった発言を『逆ギレ』として、そこだけテレビ画面で何度も報道された。死者が出たと聞いて、気が動転して思わず土下座したら、その場面をまるで反省のないパフォーマンスのように繰り返し流す。本当にマスコミは怖いと思いました」

勘坂氏はいま、知人の飲食店の経営を手伝いつつ、再起を図っている。

※週刊ポスト2011年12月23日号

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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