大阪府警視「市橋達也は性根の入った逃亡者やった」の感想持つ

2012年2月24日 07時00分

 オウム逃亡犯・平田信の出頭は、一般社会に大きな衝撃を与えた。出頭してきた逃亡犯を追い返すという、許され難い失態を犯した警視庁。平田が潜伏していた大阪府警の幹部も臍をかむ。以下、作家の山藤章一郎氏のリポートだ。

 * * *
 昨年の大みそか、夜8時30分ころ。〈オウム〉事件で指名手配されていた平田信(46)は新大阪駅からの新幹線を品川駅で降りた。黒のダウンジャケットに白のニット帽、マスクの姿は、両駅の監視カメラに鮮明に捉えられていた。

 全国の駅構内の監視カメラは5万6000台。警察が町に設置しているカメラは、540台。顔写真で覚えた被疑者を雑踏の中から見つけ出すアナログの〈見当たり捜査〉が好成績をあげている一方で〈科学の目〉も激増している。しかし、大阪府警刑事部捜査共助課次長・丸尾圭司警視は「けどな」という。

「科学捜査も監視カメラも当然必要です。そやけどな、蒸発型、捜しようのない被疑者、これはもう科学で捕まえることは出来ん。年間何百人検挙するうち、素直な被疑者ばっかりやない。

 嘘つく、偽造の身分証明書、運転免許証を見せる。ほんまはヤマダやのに『わし、タナカでんがな』と言い張る。こんな奴に、監視カメラは役に立たん。変装でカメラを騙せても、目ん玉を記憶しとる私らに嘘は通じん。

 ほかの捜査員やが、休みの日、タコ釣りの帰り、隣を走っとる運転手の顔をたまたま見た。あっ、石川県警から指名手配のまわっとる奴とちゃうか。車のナンバーから割って、3日後にパクった。

 休み以外は、ミナミやキタを毎日、現場歩きですわ。立ち飲み屋いっぱいある。風で暖簾がぴらっとこう開く、パッと奥がのぞいた。あっ、あの目ェ。あの目ェがおるぞ。一杯飲んどる。出てきたとこを検挙!

 この辺りは市橋達也もおったんやが、残念ながら〈見当たり〉にはひっかからんかった。アレはヤワな窃盗犯や詐欺師と違うて、性根の入った逃亡者やった」

※週刊ポスト2012年3月2日号

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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