0

北海道・暴風雪から娘を守るため10時間抱き続けた父の最期

2013年3月7日 07時00分 (2013年3月7日 16時33分 更新)

 オホーツク海に面する人口1万人ほどの漁師街、北海道・湧別町。昼までの春らしい陽気が一変し、大雪が降り始めた3月2日午後3時過ぎ、漁師の岡田幹男さん(享年53)は、学童保育に通うひとり娘・夏音ちゃん(9才)を迎えに、自宅から6km離れた児童センターへ車で向かった。

 自宅と児童センターの送り迎えだったため、岡田さんは薄手のジャンパーをはおっただけの軽装で家を出てしまったという。漁師という職業柄、天気を読むことができるという岡田さん。児童センターに着くと、先生や親たちにこう言った。

「今日は酷い天気だから、早く帰ったほうがいいよ」

 上下スキーウエアの夏音ちゃんを車に乗せ、帰り道を急いだ。だが、雪は彼の予想を超えて、激しさを増していった。帰り道の景色が、いつもと違っていた。雪で視界が遮られ、どこが車道かさえもわからないほどだった。

 岡田さん父娘を乗せた車は、児童センターから約4km離れた場所で、道路脇にあった雪の吹きだまりに突っ込んでしまう。岡田さんは知人に、「車が動けなくなった」と助けを求め、消防や警察が捜索を始めたが、難航を極めた。

 エンジンはかかるものの車は動かない。車内で救助を待とうにも、ガソリンが少なく、暖房も長くは使えない。何より、恐怖と寒さで凍える夏音ちゃんを早く安心させてあげたい。そう考えた岡田さんは、夏音ちゃんを連れて、近くの知人宅に避難しようと車を降りて歩き始めた。

 この時の最大風速は20.1mで、気温はマイナス6℃。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!

注目の商品