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まるでSF?! 深海で電気を食べる微生物を発見 電気生態系の可能性

2015年10月1日 15時30分 (2015年10月5日 21時07分 更新)

深海で電流を通す岩石の周囲に生息する微生物の一種、「鉄酸化菌」は、電気エネルギーを利用して、栄養分を作り出している(提供:理研)

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 太陽光が届かない深海で、電気エネルギーを直接利用して生きる微生物の存在を初めて特定したと理化学研究所と東京大学の共同研究チームが発表した。光、化学物質に次いで生物の食物連鎖を支える第3のエネルギーは電気であることが明らかになった。



 植物が太陽光をエネルギーとして二酸化炭素からでんぷんを合成するように、一部の生物は、生命の維持に必要な栄養分を自ら合成する。栄養分を作るにはエネルギー源を必要とするが、太陽光が届かない深海などの環境では、水素や硫黄などの化学物質のエネルギーを利用する生物が存在する。



 このように従来、地球上の生物は、光合成か化学合成のいずれかによって、二酸化炭素から糖やアミノ酸などの栄養分を作り出す有機物が支えていると考えられてきた。


 
 理研・環境資源科学研究センターの中村龍平チームリーダーと、東大の橋本和仁教授らの研究チームは、2010年に太陽光が届かない深海から湧き出る熱水が岩石と接触して電流が生じることを発見。



 海底に生息する生物の一部は、電気を利用して生きているのではないかという仮説を立て、鉄イオンをエネルギー源として利用する「鉄酸化細菌」の一種に着目して研究を進めた。



 研究チームがこの細菌を、0.3ボルトの微弱な電圧をかけた電極の上に置いて、二酸化炭素や水、アンモニアなどを加えて培養したところ、電極の表面で細胞が増殖するようすを観測した。さらに、この細菌は、自身の細胞の外膜から内幕に広がっている電子輸送経路を使って、体内で電圧を0.3ボルトから1.14ボルトまで高めて、エネルギーを作り出すという「電気を合成」する仕組みを持っていることも明らかになった。



 研究チームは「電気は、光と化学物質に続く地球上の食物連鎖を支える第3のエネルギーであることがわかったと同時に、深海底には電気をエネルギー源とした未知の生態系が広がっている可能性が示された」として、この微生物の発見が、将来的に微小電力の利用に結び付く可能性があると期待を寄せている。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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