小保方晴子氏手記の読後感と「感じざるを得ない矛盾」

2016年2月1日 07時00分 (2016年2月1日 07時33分 更新)
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著書『あの日』を出版した小保方晴子氏

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「STAP細胞発見」の記者会見から約2年、小保方晴子氏が「告白本」を刊行した。研究者を志した動機から、STAP細胞論文発表までの経緯、捏造疑惑、そしてマスコミに追われた日々を記しているが、読後感は何ともすっきりしない。

 小保方氏の著書『あの日』(講談社)は、全体を通して、〈STAP細胞の研究中は、細胞の不思議さに魅了され、自分なりに一生懸命に実験に取り組んでまいりました〉〈一片の邪心もありませんでした〉と純粋に研究に打ち込んでいたことが強調されている。

 捏造疑惑については、〈仕組まれた〉ものとして、ある人物を名指しする。共同研究者の若山照彦・山梨大学教授である。

〈若山先生から(中略)幹細胞株化の論文の結論が実験の結果を得る前から事前に提案されていた〉

〈論文のストーリーに合わせた実験結果とそれを得るための具体的な実験計画が書かれ、「勝手に進めておきます」とのメールが送られてくることもあった〉

 とその手法に疑問を呈し、〈研究に対する主体性は若山先生へと移り、研究の方向性は私の思いとはどんどんかけ離れていってしまった〉とすべての原因が若山氏にあるように書いている。

 そして、疑惑が噴出した後は〈まるで私がマウスや細胞をすり替えたかのような推論を社会に植えつけた〉〈私は混入犯に仕立て上げられ、社会の大逆風の渦に巻き込まれていった〉と自らが被害者であることを訴える。しかし一方で、〈「(中略)できるだけ若山先生にご迷惑がかからないように証言します」という内容のメールを出した〉というから、彼女の中に矛盾した感情が渦巻いていたことがわかる(若山氏は「取材は受けない」と回答)。

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