断捨離すると、人生が変わる――。コレ、絶対だと思う。

自分にとって本当に必要なモノとそうでないモノを区別していくことで、自分のココロの中も整理され、物事の優先順位が見えてくる。


そんな断捨離だが、やはり有名なのは、ベストセラーになってドラマ化もされた「人生がときめく片付けの魔法」の著者・近藤麻理恵こと"こんまり"だろう。こんまりが推奨するモノを捨てるかどうかの判断基準は「ときめくかどうか」。


ココロときめくモノだけに囲まれた暮らしが幸せに繋がる、という考えで多くの人から熱狂的支持を受けているが、そんなこんまり流断捨離方法をあっさり否定してしまった人物がいる。経済評論家で節約の天才・勝間和代だ。(文:みゆくらけん)


■「スペースの無駄使いこそ最大のムダ金」


9月3日の「サタデープラス」(TBS系)に出演した勝間は、「貯金が全く貯まらず、家計はパンパン」という一般家庭を訪問。

家計簿・家の中など鋭くチェックし、お金が貯まらない原因がどこにあるのかを診断した。


勝間が目を付けたのは、モノで溢れる部屋の状態。リビングのスペースを占領する、使っていないルームランナーや、キッチンを埋め尽くす大量のスナック菓子。6畳の部屋は、完全に物置化しており、もう何年も出番がないスノーボードやギター、思い出の子ども用品、細々した雑貨で溢れかえっていた。


「モノが溢れる家でお金が貯まっている家ってないんですよ」


こう言い切る勝間は、物置化している6畳の部屋のスペースを家の購入金額から計算し、「140万円の物置ですよ」と夫婦に伝える。確かに、モノに占領され使えていない部屋はただの高額な物置だ。

「スペースの無駄使いこそ最大のムダ金」と考える勝間は、即座に断捨離を提案し、開始させた。


「娘がいつか使うかなと思って」と保管しておいた思い出のウェディングドレスは「娘さんの時代にはデザインが古くなっている」と捨てさせ、夫の両親からもらった座布団も「はいお母様ありがとうございました!」と捨てさせ、もうとにかく捨てさせまくる。


■もったいないと思ったらフリマアプリで売りさばく


ハイ次!ハイ次!と考える隙すら与えぬ、いかにも勝間らしい強引なやり方だが、実はコレが肝。なぜなら、勝間が提案する捨てるモノ・捨てないモノの判断基準は「実際に使っているかどうか」。しかも、過去2ヵ月で一度も出番がなかったモノは切り捨てるという容赦のなさ。戸惑う家の奥様に、勝間はこうも斬り込む。


「(仕分けをするにあたり)ときめく・ときめかないは主観的なもの。客観的な数値として、季節もの(ストーブなど)は過去2年間使わなければまず使わない。その他のものは2ヵ月使わないものは使いません」


あっさりとこんまり否定。こんまり流の「ときめくかどうか」で決めるやり方は、超現実的かつ戦略的、合理主義な勝間からすればモノサシが見えないあやふやな基準、というところか。しかし、「世界のこんまり」相手にさりげなくケンカを売れるとはさすが。自身の断捨離を成功させたことで「痩せて彼氏までできた」という勝間の自信のほどがうかがえる。


その他にも勝間がすすめた片づけ法のポイントは以下。


・捨てるにはもったいない子ども服などはネットオークションやフリマアプリを活用して売りさばく
・必要なモノは中古品で安く買う
・捨てたモノでお金になりそうなモノは買取り業者に売る(今回は不用品20点で1万1千円の収入をゲット)


■「ときめかない」ものの方が日常生活では大事なこともある


現在、モノが溢れ返った部屋でイラつきながら生活している筆者からすれば、勝間の「使ってないなら捨てよ」圧力は背中を押される感じで良い。捨てる時に「まだ使うかもしれないけど……」と胸を痛める罪悪感こそが、次の買い物を慎重にさせる。よって経済的。少々強引なやり方ではあるが、こんまりの「ときめき基準」で捨てる・捨てないの仕分けをするのはたまに混乱するのだ。


たとえば常に流し台の下でスタンバってくれている鉄製のクソ重くて汚いフライパンにはすでにまったくときめかないが、料理を美味しく仕上げてくれるため、けっこうな頻度で活躍してもらっている。

また、全くときめかない使い古してヨレたTシャツでも、慣れ親しんだ生地のヘタり具合が素肌に心地よく、手放せない寝巻となっている。


逆に、眺めているだけで女子力アップしそうなヴィクトリアシークレットのバニラのボディケアシリーズは使用頻度年1で場所だけ取っているし、ときめき過ぎて買い集めたアジアン雑貨は、物置に眠りまくっている。アゲアゲマインドで買ったインポートのセクシーランジェリーも、エロ過ぎて着けるの無理。勝間のいう「ときめきよりも使用頻度が判断基準」というのは大変説得力がある。


あわせてよみたい:【悲報】日本の労働生産性低すぎ