企業では、長く勤めた立場にあぐらをかいて居座るベテラン社員がいる。こうした人がいるとポストが空かず、若手社員へ新しい仕事に挑戦させる機会を作れない、社員の採用ができないという弊害が起こる。


そうした状況について、コラムニストの小田嶋隆氏が3月19日にツイッターに投稿した内容が話題になっている。



「若い人たちが先に進めるのは、3年か4年ごとに卒業式がやってきて強制的に環境がリセットされるからだと思う。環境が新しくなれば、いずれ中味も新しくなる。同じ連中とツルんでいたら人間は変われない。20年同じ会社で働いているオヤジが腐るのは、淀んだ水の中で暮らしているから」


この投稿は約5000件リツイートされて、様々な意見が寄せられた。


■「変わらざるを得ない状況に身を置けば仕方なくでも変わっていける」



小田嶋氏の考えに対しては、「そうだよな。

自省するところ有り」「あーこれすごく納得。うちの会社がまさにそうだ」など賛同する人が続出している。



「強制的に環境に変化があるって ある意味とても大切でありがたい事なのかもしれない」
「変わらざるを得ない状況に身を置けば仕方なくでも変わっていけるのは確かですね」


同じ部署で同じ仕事を何年もやっていれば、マンネリ化してしまう。これを防ぐ意味では、定期的に環境を一新して、リスタートを切るのは有効だろう。まさに進学によって気持ち新たに前に進める感覚だろう。


実際、小田嶋氏の考えのように意図的に環境を変えてきたという人は、



「同じ会社に20年以上いるなんてありえない。

スキル磨いてさっさと転職しましょう」


と投稿。5年程度のスパンで仕事や住む場所を変えてきたという人もいた。また、20代男性も感銘を受けたようで、



「ありがとうございます。このツイートのおかげでようやく迷いが切れました。早く新しい職場を探して。オヤジと関わる仕事をさっさとやめたと思います」


とツイートしていた。


■短いスパンで転職するとスキルが身についてない、と思われる?


一方で、「同じ会社で働いている友人多いですけど、別にくさってないですけどね」や「蓄積は全て無駄だとでも言うのだろうか」など、小田嶋氏の考えに意を唱える人もいる。



「『同じ職場に20年いる』はあるとしても、『全く同じ人間関係が20年続く』はないと思うんだけどなあ?」
「それって自分が変わらないのを周囲や環境のせいにしてるだけなんじゃないんですか?」


環境に慣れてしまうことで「ゆでカエル」になる危険性はあるが、それは個人の問題ではある。外的要因がないと自発的に変化できない人はダメ、という主張もあった。


また、「3―4年スパンでコロコロしている人は人材として転職リスクが高く会社から投資して貰えず当然給料は上がらない」という意見もある。転職の際、1社あたりの在籍期間が短いとスキルが身についていない可能性もあるほか、採用してもすぐに辞められるのでは、という懸念を企業から抱かれてしまう。


「A rolling stones gathers no moss(転がる石に苔むさず)」という諺を出す人もいた。

「常に活動的な人は新鮮である」という意味と「職業や住まいを転々とする人は金もたまらず、友人もできない」といった2つの解釈がある。環境を定期的に変え、気分新たにするのが有効かどうかは人それぞれだろう。