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船橋競馬場伝説の予想屋・ミスター船橋の作法「俺の名刺、交通安全のお守りになるんだ。“当たらない”ってね」

2017年3月5日 15時00分 (2017年3月31日 06時01分 更新)

昨年70歳を迎え、一時は引退を考えるも「体の元気なうちは」と撤回するミスター船橋

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「女房を質に入れてでも買ってください!」その小気味のいい口上はもはや漫談の域で、これを聞くために競馬場を訪れるファンも多い。

「ミスター船橋」こと川村栄一、70歳。競馬場公認の予想屋=場立(ばた)ちを極めた男の鉄火場の作法に、前編「博才なくても予想屋になれるよ」に続き、迫る!

* * *

当時は船橋競馬場も船橋オートも、入場者数が1万人を超える日も珍しくなかった。人垣は、今の何倍もあった。人が集まれば集まるほど、ミスターの口上は冴(さ)える。

「いっぱい集まったときは、“落とし”を入れる。考えてたら出ないよ。咄嗟(とっさ)に出るの」

「落とし」とは、いわば決めゼリフのようなものだ。

「山も、田んぼも、売って勝負!」

「会社の金も使っちゃえ!」

「女房を質に入れてでも買ってください!」

落としが決まると笑いが起き、よく売れた。予想を買うというより、ミスターの予想屋という「芸」に魅せられ、つい金を払ってしまうのだ。

「われわれの商売は、このレースはわかりませんって言えないのよ。多い日は、半分くらい(予想が)難しいなってときがあるんだけど、さもわかっているように売る。それが楽しいんだよ」

もちろん、冗談ばかり言っているわけではない。開催中は連日、深夜までかかってデータを分析し、レース展開を詳細に予想する。ミスターの口上で独特なのは、馬主情報を挟むところだ。パドックでも馬主を見つけると、はじかれたパチンコ玉のように駆け寄って情報を仕入れてくる。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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