旅にまつわるさまざまな費用や価格料金をとりあげるTABIZINE【リアルなお金の話】特集。今回は、クロアチアを2週間周遊した筆者が、実際にかかった旅の費用を大公開します。


世界遺産のプリトヴィツェ湖群国立公園やドゥブロヴニク旧市街をはじめ、自然と歴史がつまったクロアチアはいま大注目の旅先です。

訪問都市と滞在日数
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2週間(14泊15日)の旅行で、ザグレブ、ヴァラジュディン、プリトヴィツェ湖群国立公園、ザダル、スプリット、シべニク、トロギール、フヴァル(フヴァル島)、スターリ・グラード(フヴァル島)、コルチュラ(コルチュラ島)、ドゥブロヴニク、モスタル(ボスニア・ヘルツェゴビナ)、コトル(モンテネグロ)、ブドヴァ(モンテネグロ)の14都市を訪れました。

旅のスケジュールは次のとおり。


首都のザグレブに到着し、ザグレブに3泊。うち1日はザグレブ近郊のヴァラジュディンに足を延ばしました。ザグレブを出発し、プリトヴィツェ湖群国立公園を観光した後、その日はザダルに1泊。


スプリットに3泊し、スプリットからシべニクとトロギールへ日帰り旅行。その後、フヴァル島に2泊、コルチュラ島に1泊。

ドゥブロヴニクに4泊しているあいだ、ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルと、モンテネグロのコトルとブドヴァを、それぞれ日帰りツアーを利用して訪れました。


渡航時期は5月下旬。クロアチア観光のトップシーズンは7~8月なので、旅行の時期を5月下旬や9月下旬などにするだけでも、渡航費や滞在費を大幅に抑えることができます。

旅のスタイル
クロアチア旅行2週間の【リアルなお金の話】ドゥブロヴニクは物価が高い!


基本的には節約型のバックパッカー旅行。
フヴァル島とコルチュラ島では個室のゲストハウスに泊まりましたが、それ以外の都市ではドミトリー(相部屋)に宿泊しました。

ただし、宿泊した施設にほとんどキッチンがなかったために自炊はできず、食事はレストランでの外食と、ピザやサンドイッチなどのテイクアウトが半々に。クロアチアでは思いのほか外食にお金がかかるので、抑えるところは抑えつつ、遣うときは遣うといったスタイルに落ち着きました。

ずっと個室に宿泊する場合や、すべて外食にする場合は、さらに出費が増えることになります。

外食費が予想以上に高くつく
クロアチア旅行2週間の【リアルなお金の話】ドゥブロヴニクは物価が高い!


渡航前は、「クロアチアは日本や西欧諸国に比べると物価の安い国」という印象を持っていました。総じていえば、その印象は間違ってはいないのですが、外食費は思いのほか高くつきます。


特にアドリア海沿岸の観光地のレストランは、西欧からの旅行者の金銭感覚に合わせて値段が設定されている印象。どこでも安い飲食店が簡単に見つかる日本の外食事情に慣れていると、クロアチアの観光地のレストランはとても高く感じられます。

野菜料理とスープ、飲み物だけの食事でも2000円程度かかることは珍しくありませんし、肉料理やシーフードを頼めばさらに高額になります。

クロアチアの観光地で安く食べようと思えば、ピザやサンドイッチをテイクアウトする以外にあまり選択肢がありません。クロアチアを旅行するなら、「ヨーロッパでは外食は贅沢。お金がかかって当たり前」と割り切って外食を楽しむのがいいかもしれません。


南に行くほど物価が上がる
クロアチア旅行2週間の【リアルなお金の話】ドゥブロヴニクは物価が高い!


北のザグレブから南のドゥブロヴニクまで、南下するルートをとって感じたのが、「南に行くほど物価が上がる」ということ。なかには例外もありますが、北から南へと、クロアチアのおもな観光地をたどる場合は、おおむねそういった印象になるはずです。

ザグレブは首都でありながら比較的物価が安く、有名な郷土料理のレストランで食べたピーマンの肉詰めは700円、クロアチアのケーキ「クレムシュニテ」は170円、トラムやバスの30分券は70円ほどでした。

しかし、アドリア海沿岸のザダルに着いた途端、シーフードの入っていないパスタやリゾットなどが一品1000円を超えるような価格帯のレストランが主流に。市内バスの運賃も170円ほどに上がり、とても驚きました。

しかし、ドゥブロヴニクなどはさらに物価が高く、後になって「ザダルはそれほど高くなかったんだな」と知るようになります。


ドゥブロヴニクは何もかもが高い
クロアチア旅行2週間の【リアルなお金の話】ドゥブロヴニクは物価が高い!


クロアチアで出会った旅行者が口を揃えて言うのは「ドゥブロヴニクはとにかく物価が高い」ということ。

クロアチアきっての観光地ということで、ドゥブロヴニクの物価はザグレブとは比べ物になりません。ザグレブでは市内中心部のドミトリーに1泊1900円ほどで泊まりましたが、ドゥブロヴニクは観光エリアからやや離れた立地で1泊2500円。しかも8月には同じ宿の料金が倍になるそうです。

食費ももちろん高く、テイクアウトのサンドイッチやトルティーヤでも500~700円ほど。レストランで食事をすれば、一食2000~3000円は下らないでしょう。


一番驚いたのは、ドゥブロヴニクの旧市街を囲む城壁の入場料。美しい旧市街の風景を眺めながら城壁の歩道を歩くのはドゥブロヴニク観光のメインイベントのひとつなのですが、なんとこの城壁の入場料が約2500円。これほど強気の価格設定は、他のヨーロッパ諸国でもなかなかお目にかかれません。

物価の高いドゥブロヴニクでは、対象施設の入場や市内バスが無料になるお得な観光パス「ドゥブロヴニク・カード」を使って、少しでも出費を抑えることをおすすめします。

また、「高い!」とばかり思っていてはせっかくの旅行が楽しめなくなるので、「こぢんまりとした旧市街に世界中から観光客が押し寄せる以上、物価が上がるのも仕方ない」と諦めることも肝心かもしれませんね。

クロアチア2週間周遊旅行にかかった費用
クロアチア旅行2週間の【リアルなお金の話】ドゥブロヴニクは物価が高い!


クロアチアを2週間周遊するためにかかった費用の総額は、日本円に換算しておよそ21万2000円。

内訳
航空券:9万1500円
現地での交通費:1万6400円
宿泊費:3万8000円
観光:1万6500円
ツアー参加費:1万1600円
食費:3万8000円

※筆者はドイツから渡航したため、航空券のみ実際にかかった費用ではなく、東京・ザグレブ間の往復航空券の参考価格を記載しています。また、航空券の価格は航空会社や時期によって異なります。

クロアチア旅行2週間の【リアルなお金の話】ドゥブロヴニクは物価が高い!



予想していたよりも費用がかさんだクロアチア旅行。ですが、歴史的な街並みと豊かな自然が融合したクロアチアの風景は本当に素晴らしく、ため息と感動の連続でした。

お金にはかえられない絶景の数々は、ずっと忘れられそうにありません。


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