ご縁があって、9月4日公開のジャン=ピエール・ジュネ監督の最新作「ミックマック」を、公開前に見せていただくことができました。
ジュネ監督といえば、2001年に「アメリ」が大ヒットしたことで有名です。マルク・キャロと共同で監督した「デリカテッセン」にも、多くのファンがいますね。
さてそんな監督の最新作のタイトルは、「ミックマック」(いたずらの意)。パリを舞台に繰り広げられる、おかしくてかわいい復讐劇なのです。
主人公は、レンタルビデオ店に勤める孤独な男・バジル。幼いころ父親を西サハラの地雷事故で亡くした経験の持ち主です。ひょんなことから頭に銃弾を受け、手術で取り除くことができないため、頭に銃弾を抱えたまま生きていく運命に。
入院中に家も職も失ってしまい、大道芸の真似事をするホームレスになってしまったバジルですが、廃品回収を生業とする不思議な「家族」に拾われます。「家族」といっても血はつながっていない、様々な能力を持つ変わった人々なのです。
その家族構成は、おいしいお料理を作るおっかさん、廃品を使った繊細な作品を作るアーティスト、何を見ても即座に数値のわかる計算機みたいな女の子、ギロチンで死にそこない恩赦されたおじさん、ずっとタイプライターを打っている言語オタクの詩人、人間大砲のギネス記録を持つおじさん、そして主人公バジルといい感じになる異常に体が柔らかい軟体女。
こんな面白い人達と温かい暮らしを始めたバジルは、ふとしたことから、父親の命を奪った地雷を製造した武器会社と頭の中の銃弾を製造した武器会社が、道の向かい合わせに建っていることを発見。「家族」とともに復讐をするべく、様々なおもしろ作戦を繰り広げるのですが......。
これ以上書くとネタバレになってしまうので、私が個人的に見どころだと思ったポイントを幾つか挙げてみますね。
【見どころその1】行きたくなるパリの風景。
バジルが大道芸のマネをする地下鉄の駅、ギロチン男と出会うカフェ、武器商人と密談するレストラン、カーチェイス途中の可動式の橋、などなど、「あー、パリなんだなぁ」と感じるおしゃれで美しい街の風景ばかり。観終わった後、パリに遊びに行きたくなってしまいました。
【見どころその2】思った以上に深いアフリカとのつながり。
この映画にはひとりも黄色人種は出てきませんが、アフリカ系黒人は重要な役どころでたくさん出てきます。…


