0

極楽浄土へ! 住職が唱えるレゲエ

2013年8月23日 16時10分 (2013年8月23日 17時49分 更新)

タオルをブンブン! ノリノリでお経を唱える(歌う?)

 8月18日、35℃の真夏日。ララガーデン春日部“BON FES.”の大トリを飾ったのは「Tariki Echo」というユニット。「ナームーアミーダーブーツ ナームアーミダー」

 この二人、現職の住職というからビックリだ。龍教寺(島根県)の釈一平さんと、善巧寺(埼玉県春日部市)の釈明覚さん。僧侶が身に付ける袈裟にヘルメットを被って、DJ機材をチキチキと鳴らしながら歌う。この日、最初の曲は「一奉請(いちぶじょう)」。観客が一丸となってタオルを振りかざす様子は、山奥のレイブさながらだ。(でもここはララガーデン春日部)

 ユニット名「タリキエコー」の意味とは?「仏教用語の『他力回向(たりきえこう)』と音楽の『エコー』を掛けました」と話すのは釈明覚さん。他力回向は「他力本願」と同義語だが、いわゆる“他人任せ”とは意味合いが異なるという。浄土真宗の教義では、“仏様から功徳をいただいて我々は生きている”ということなのだそう。

 んー、むずかしい。仏教は複雑だ。宗派によって解釈が真逆だったり、ある点では通じていたり。お寺が身近だった昔と比べて、いまの若い人にとって仏様は近づきがたい。記者の家なんて、「めんどくさいから、法事は廃止!」と親戚のだれかが言い出したらホントに廃止になった。仏様は何億光年、ほど遠い。

 お経をそのままレゲエ音楽に乗せた。音楽を通じて若い世代に仏教を広めたい。そんな思いで活動している……だけではなさそうだ。釈一平さんはアイドルユニットの作曲を手がけるなど、アーティストとして活躍。明覚さんもイベントのDJを多数こなす。二人は音楽が好きなのだ。

 タリキエコーの曲を聴くと、なぜか心安らぐ。その秘密は「倍音」らしい。倍音とは、“基本となる音の周波の倍の周波を持つ音”のこと。なんのこっちゃ?

「分かりやすく言うと、SMAPとかAKBとか、みんなで同じメロディーラインを歌いますよね。それが心地よく聴く人の耳に響くんです」と釈一平さん。

 そう言えば最近、ハモリってあんまり聞かない。昔はカラオケでハモリを披露したくて必死でCDを耳コピしたのに、今はみんなで仲良く合唱。でも不思議と単調だと感じたことはない。むしろダイレクトに胸にくる。それが倍音。日本人の心に刻まれた音だ。

 10月20日に春日部市・善巧寺の本堂でイベントを行う。本堂というのは本尊仏を安置する神聖な場所。そこで正午過ぎから夜中まで、DJやロックバンド、タリキエコーの音楽に合わせて、観客はゆったりと歌って踊る。ビールもつまみも持ち込みOK。なんともぶっ飛んだイベントだ。

 プロデューサーの加藤さんはこう話す。

「朝、事務所に出勤してタリキエコーが流れていると、自然と手を合わせて拝んでしまう。まるで朝のお勤めです(笑)」

 一日の始まりに、仏に思いを馳せながら心を静める。仏様は言っている。

「大丈夫ですよ、ボクが見守っていますから。きっとすべて、上手くいく」

 タリキエコーのCDを聴きながら、この記事を書いている。きっと上手くいくはずだ。 <TEXT/尾崎ムギ子>

●「Tariki Echo」公式サイト http://tarikiecho.jp/

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!

注目の商品