0

男女比97:3!希少な「男性保育士」が保護者から向けられる悲しい偏見

2017年2月10日 21時00分 (2017年2月17日 21時57分 更新)


「ママ、赤ちゃんがウンチしてるよー!」と夫に報告されて「じゃあ、お前がオムツ変えろ!」と心の中でキレた……といった小さな“グチ”は、子育て中のママ同士との会話でよく出てくる話題ではないでしょうか?


パパには積極的にオムツ替えをしてほしい。おじいちゃんも許せる。でも、男性保育士はちょっとムリ。


――そんな風に感じている保護者は少なくないようです。


今回は、保育現場の問題がわかりやすく描かれているコミック『じんぐるじゃむっ』(小学館)を参照に、男性保育士の現状についてお届けしていきますね。



■保護者からの「男性の保育士にはオムツを替えさせないで!」の声とは……

皆さんは、1年に1度、公立中学の学生が地区のいろんな施設で数日間にわたり“職業体験”する姿を見かけたことはありませんか?


公立の保育園や幼稚園でも、ピンク色のエプロン姿をつけたぎこちない動きの男子学生たちの周りに子どもたちが群がる姿が見られることも。


しかし、実際に男子学生がその体験を通じて「保育園の仕事ってやりがいがあるな」と感じて、将来の仕事にしようと決めたとき、おそらく“ある試練”が待ち受けているでしょう。


それは、保育園に子どもを預ける保護者からの「男性保育者に排泄に関わる対応をしてほしくない」という声。


『じんぐるじゃむっ』によれば、「父親はいいけど、男性保育士には見せたくない」という“プライベートゾーン”の問題が根深くあるといいます。



■『じんぐるじゃむっ』登場人物の男性の保育士のセリフが切なすぎる

保育コミック『じんぐるじゃむっ』にはこんなシーンがあります。


<「あ、直樹先生 美咲ちゃんのおむつ私が替えます 代わってください」


「え? 何でですか?」


「実は言いにくいんだけど…… 美咲ちゃんのママがそうしてほしいって」


「ひ……ひどい それはつまりボクが男だから? だ……だって産婦人科の医師の7割は男ですよ ボクだってプロの保育士なのにっ」


「しょうがないですよ 生理的なものなんだから」>


この章に出てくる直樹先生は、赤ちゃんに安心感を抱いてもらおうとボールで胸のふくらみを作ってみたりと涙ぐましい努力を積み重ねているだけに、とても切ないシーンとなっています。


「生理的なものだから」という言葉の本音としては、男性の欲求を“性悪説”でとらえた「“万が一”から我が子を守りたい!」という親の防衛反応の1つでもあるのかもしれませんし、あるいは子どもが感じるであろう“羞恥心”を先回りした結果かもしれません。


しかし、本当に一生懸命働いている男性保育士にしてみたら、ある種の“偏見”と受け取られる可能性もあります。



■男性保育士の割合は3%未満……まだまだ肩身が狭い

汐見稔幸教授監修のコラムによれば、この背景としては、父親の育児参加率が依然低く、育児休暇率も2%という状況で、父親の育児参加が遅々として進んでいない状況を指摘。


<父親の育児参加が進まなければ、男性保育者への理解も、増加も、進む気がしません>


という著述があります。


「パパもおじいちゃんにも育児を任せられないから、男性はアテにならない。やはり保育は女性がいい」といったママの深層心理も根底にあるのかもしれません。


実際、男性保育士の割合も「100人中3人弱」という状況で、「保育現場は女性にお任せ」という状況となっています。


しかし、体力も熱意もある男性保育士の存在は、疲弊した保育現場に上手に溶け込んでいけば、子ども達にとっても心強い存在となる可能性も。


そしてオムツが外れ、「もうお姉さんパンツなんだ!」と喜んでいた女の子が、もし布のパンツにおもらししてしまって羞恥心にさいなまれたら……。女性の先生に言うか、男性の先生に言うか、子ども主体で選ぶようになれば、保育士たちもやりやすいかもしれませんね。



以上、男性保育士の現状についてでしたが、いかがでしょうか?


『じんぐるじゃむっ』の巻末には、2050年の退廃した保育現場の様子が描かれています。労働力が壊滅的に不足し、保育のデータをインプットした“保育ロボットが”、事故なく安全ではあるものの、感情の通わない保育を提供する時代となっています。


リスクをすべて排除して、学力もつけて、運動会で時々感動させてくれて……と、大切な子どもを預ける園に求めることはキリがありませんが、同著は、すべての保護者の要望をくみあげていくと、無味乾燥な保育となりかねないという危機感を抱かせてくれる1冊です。


自分の子どもが通う保育施設に希少な男性保育士がいたら、みなさんはどんなことを期待しますか?

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!

注目の商品