言わずもがな、日本は一夫一妻制。もしも、複数の夫、ないしは妻がいれば重婚罪として、2年以下の懲役が処せられてしまいます(事実上の夫婦はこれに含まれない)。


●ところで一夫多妻制が罪となるのはどうして?

一夫多妻・一妻多夫制が罪であることは、法律的な解釈よりも、感情的な解釈の方が容易。一夫多妻・一妻多夫にすると、どちらの夫・妻の方が、その人にとって大事であるかといういがみ合いが起きることは想像できるし、なにより遺産分配などの面で問題も発生しそう。でも、世界を見ると、一夫多妻・一妻多夫制で円滑に社会が回っている国もある。日本はどうして、一夫一妻制になったのでしょう?

調べてみると、日本もかつて一夫多妻制を容認している時代がありました。

江戸時代には、上流の武士や富裕層では、妻以外に他の女性を描こうということが行われていたのです。というのも、当時は男子の跡取を生み、家を代々継いでいかなければならないという社会であったから。
今のように医学も発達しておらず、子の命を狙われることも多かった時代。無事子を産み育て、代を繋いでいくことは、義務のような意識だったのでしょう。
ちなみに、庶民は関係なく、今のように一夫一妻性だったようです。

そんな日本が現在の一夫一妻制になったのは、明治時代。1870年に制定された明治国家の警報「新律綱領」で、本妻以外の女性たちも親等と認めることによって整備されたのです。

●世界には一夫多妻制の国がたくさん!

世界を見てみると、一夫多妻制の国はいくつか存在し、ブルキナファソやセネガル、ナイジェリア、マリなど。
アフリカ大陸の国には、多いようです。その理由は、宗教的な背景。コーランには、男性は4人の妻まで持ってよいと考えられている記述があるのだそう。しかし、そこには公平に愛せない場合は一人にせよとも書いてあり、これは、複数の妻がいても喧嘩にならず、仲睦まじくできる理由でもあります。

結婚生活は愛だけでは成り立たず、お金も付きまとうもの。一夫多妻、しかも皆しく平等にというのは、相当の経済力とエネルギーが必要そうですね。

(文・団子坂ゆみ/考務店)