今年9月に入ってメキシコを襲った三度の大地震。いまだ懸命な救助活動が続くなか、国内外からの救助隊に交じって第一線で活躍している救助犬の「フリーダ(Frida)」が話題になっている。
『The Independent』『The Guardian』などが伝えた。

現時点で300人以上の死者を出したメキシコ地震だが、今も破壊された建物の下敷きになっている生存者が多数いると見られており、人々はその救助活動に余念がない。メキシコ海軍K9チーム「Mexican Navy’s Canine Unit」の救助犬ラブラドール・レトリバーのフリーダ(6歳、一部では7歳とも)は、今回の地震で活躍しているだけでなく、これまでにもホンジュラス、エクアドル、ハイチなどで数々の緊急事態や事故現場での人命救助に貢献してきた。

2歳の時から訓練を受けているフリーダは、この4年のキャリアで実に52人以上もの命を救っている。今回のメキシコ南部オアハカ州で起こった地震だけでも、フリーダは12人を救出したそうだ。

余震や新たな地震が起こるかもしれないという危険な状況で、フリーダは救助隊員らと第一線で活躍している。
煙や埃から目を保護するためにしっかりとゴーグルを装着し、行方不明者を探して時に掘り起こす必要がある瓦礫を渡り歩くため、足を傷つけないようにと4つの足の保護靴も欠かせない。そして「MARINA」と書かれたカーキ色のハーネスが、自らも誇るべき海軍のK9であることを象徴している。

メキシコのエンリケ・ペーニャ・ニエト大統領は22日、自身のツイッターでフリーダの動画を投稿し「これがフリーダです。メキシコ軍(SEMAR)に所属し国内外様々な現場で実に52人もの命を救いました」とフリーダの活躍を称えるツイートをした。この投稿を見たユーザーらによってフリーダは一気に話題の救助犬となり、メキシコ500ペソ紙幣に描かれている画家ディエゴ・リベラをフリーダに差し替えた画像を投稿する者もいるほど「名誉犬」として多くの称賛を集めているのだ。

また『El Heraldo de México』や『The Straits Times』が伝えたところによると現在、フリーダは1歳~5歳の新しい救助犬の訓練コースでも良き先輩として活躍しているそうだが、救助犬としての任務においては年齢とともに嗅覚が鈍ることからあと1年で終了となり、リタイア後はハンドラーのもとで過ごす予定だという。


画像は『The Guardian 2017年9月23日付「Frida: the Mexican rescue dog who has saved more than 52 lives」(Photograph: Edgard Garrido/Reuters)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)