限られた住空間に寛ぎを、安積伸の「Banquette」

2009年12月1日 10:00
 プロダクトデザイナー安積伸。ロンドンを拠点に家具からテーブルウエア、空間まで、特にジャンルは絞らずなんでもデザインする。なぜかと尋ねると「日常の疑問をすべて解決したいから」と。要は欲張りなのである。今回、発表したのは「Banquette」というシリーズ。

「ヒントになったのは、日本の『こたつ文化』なんです。冬になると家族全員がこたつの周りに集まって、鍋を囲んだり、みんなでテレビを見たり、時にはパソコンを使ったり…、といった具合になんでもその周辺ですましてしまう。その感覚です」と安積氏。

 リビングセットとダイニングセット。広さに余裕のある家だったら、もちろん両方置くのが望ましいのだと思うが、そうはいかない。そこで安積氏は、「リビングとダイニングを一緒にしてしまえ」と、ソファメーカーEsticのformaxブランドより、2つを組み合わせた「Banquette」という新しいスタイルを提案した。Banquetteとは、長椅子やベンチのようなものを指し、「宴会・祝宴」を意味するbanquetは、この語から派生した言葉。

 「Banquette」は、チェアとソファを両極に置いて、その距離感で3つのシリーズに分かれている。感覚がソファに近い順から、Bramley(ブラムリー)、Cox(コックス)、Gala(ガラ)。

 Bramleyは全体がファブリックで包み込まれており、いちばんソファの印象に近い。しかし、座ってみると座面は意外にも堅くしっかりしており、沈み込む感じはしない。座面の奥行きは深いので、ソファのようにどっかりと腰掛けることもできるし、ごろりと寝ころぶこともできる。

 Coxは中間タイプで、背に成形合板が入っており、チェアの印象に近くなる。Galaはいちばんダイニングに近いタイプ。しかし、座面の低さや深くとられた奥行きは、ゆったりとした印象を与える。


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