今週末見るべき映画「ファンボーイズ」

2010年4月23日 00:00
 「スター・ウォーズ」が日本で公開されて、もう32年になる。まるで、世界中のおとぎ話をダイジェストしたような映画で、当時はおおいに興奮して、「スター・ウォーズ」に見入ったものだ。当然、世界のあちこち、この「スター・ウォーズ」の熱狂的なファンは多いと思われる。映画「ファンボーイズ」(カルチュア・パブリッシャーズ配給)は、一言でいえば、「スター・ウォーズ」のディープなファンの作った、ディープな「スター・ウォーズ」ファンのための映画である。

 オープニングから、いきなりの大爆笑。「スター・ウォーズ」の手前から奥のほうにスクロールするオープニングは「遠い昔、はるか彼方の銀河系で…」である。本作では、「つい最近、決して遠くない銀河系で…」と始まる。

 たぶん、劇中にも、「スター・ウォーズ」の名セリフがたっぷり登場すると予想できる。そして、まさにその通り。作り手である監督のカイル・ニューマンをはじめ、脚本のアーネスト・クライン、アダム・F・ゴールドバーグの、ほんとうに「スター・ウォーズ」という映画が大好きだということが、よく分かるのである。

 登場人物が揃いも揃って「スター・ウォーズ」大好きの若者たち。一見、堅気には見えない、いわゆるオタク系。なかのひとりが、がんに冒され、余命は数ヶ月という。しかも「スター・ウォーズ」の新作「エピソードI ファントム・メナス」の公開が半年後に控えている。

 仲間たちは、彼が死ぬ前に、新作を見せたい思いから、アイオワからはるばる、カリフォルニアのジョージ・ルーカスのスタジオ、ルーカススカイウォーカーランチに向かう。そして、スタジオに侵入、新作のフィルムを入手しようと思い立つ。

 出かけるミニバンは、もちろん、「ミレニアム・ファルコン」。すれ違う車の美女をからかったり、娼婦とも気付かずナンパしたりの下ネタもサービスされて、軽快な運びである。

 結果、随所に、「スター・ウォーズ」ネタを散りばめながらの、りっぱなオマージュ。かけあい漫才さながら、「スター・ウォーズ」に関するトリビア、知識のやりとりに、ほほえましいのを通りこして、オタクそのもののこだわりに、爆笑する。

 もちろん低予算、コメディ・タッチの映画ではあるけれど、ラスト近くから、これがなかなか泣かせてくれる。それは、「スター・ウォーズ」という映画への、オタクたちの愛情、仲間どうしの友情が、きちんと描かれているからである。

 「スター・ウォーズ」の先輩格、「スター・トレック」が、いいタイミングで登場、映画の展開に重要な役割を果たすが、これも見どころだ。若者たちを演じる俳優たちはまだまだ無名だが、「スター・ウォーズ」に登場した俳優たちが、あちこちでカメオ出演する。誰が、いかなる形で登場し、どのようなセリフなのかは、見てのお楽しみ。映画はレイトショー公開、5月には、DVDが発売される。きっと、何度も見たくなるはずである。


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