真っ二つ牛来日「英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展」

2008年5月6日 00:00
 2001年に受賞した、マーティン・クリードの作品を見たとき、何を考えるだろうか。

マーティン・クリード《ライトが点いたり消えたり》2000年
5秒点灯、5秒消灯 サイズ可変

 展示室内に入ってみる。しかし、作品はない。ただ、展示室内の照明が点いたり消えたりしているだけだ。そう、それがこの作品なのである。

 『ライトが点いたり消えたり』と題したこの作品は、究極のコンセプチュアルアートと言われ、これまた物議を醸し出した。「誰だって作れるじゃないか」「こんなのアートではない」、さまざまな意見が飛び交ったという。

 しかし、こんな意見もあったそう。通常は作品が収まっているギャラリーや美術館という空間を、空っぽにすることで、展示空間(建築物)自体のディテールを見ることができる。また、作品があるという期待を大きく裏切るというのも、鑑賞者の心を揺さぶる手段のひとつだと。そう考えてみると、彼の作品は日常とアートの境目を縦横無尽に渡り歩いているものが多い。アートであるか否か、その問い掛けは終わることがなさそうだ。

 ターナー賞の基準は、50歳未満のイギリス人またはイギリス在住のアーティストということ。展示は時代順に受賞者の作品が見られるような構成になっており、全23組のアーティストの作品が楽しめる。7月13日まで。

ギルバート&ジョージ《デス・アフター・ライフ》1984年
482x1105cm 写真に着色 大阪市立近代美術館開設準備室蔵

英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展
 森美術館 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
 開催中〜7/13(日)会期中無休
 Open.月・水〜日10:00〜22:00、火10:00〜17:00 ※4/29、5/6は22:00まで(入館は閉館時間の30分前まで)

取材/上條桂子


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