仏現代アートの鬼才、ファブリス・イベール

2008年5月13日 00:00
 「僕は森を育てるように、アイデアを育てている」というのは、フランスのコンテンポラリーアート界の鬼才、ファブリス・イベール。彼は、1997年のベネチア・ビエンナーレで、フランス館をテレビ局の収録スタジオに変身させ、実際にテレビ番組を放送するという思いもよらない発想で、見事、最年少で金獅子賞を受賞した。

 日本では、2001年にワタリウム美術館で個展を開いたほか、05年に新国立劇場で行われた、振付師プレルジョカージュのバレエ『Les 4 saison(四季)』の舞台美術と衣装を手がけたり、06年の大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレにも出品している。絵画、造形、マルチメディア、インスタレーションなどさまざまな手法を巧みに用い、奇抜なコンセプトで毎回私たちを驚かせてくれる。

 現在、東京・渋谷区神宮前のワタリウム美術館では、ファブリス・イベールの個展「たねを育てる展」が開催中だ。会場(2F)に入ると、まずはテディ・ベアがお出迎え。

「テディ・ベア(Ted Hyber)」(2008)という作品だ。ファブリス・イベールは、作品名などに、言葉遊びを用いることが多い。これもそのひとつである。テディベアと、彼の名前イベール(Hyber)をかけているのだ。

 そして奥には「野菜男」が。「エム・アイ・ティ・マン(Mit Man)」(2008)。野菜を素材にして、人体彫刻を作り上げている。

もちろん遠くから見ても、近寄ってみても、すべての素材は野菜なのだが、やっぱり人間に見えてしまう。なんだかおかしみが込み上げてくる作品だ。


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