直島に新たな安藤建築、李禹煥美術館が開館

2010年7月22日 19:30
 瀬戸内海に浮かぶアートの島、直島。瀬戸内国際芸術祭2010の会場でもある、この島に6月15日、新美術館「李禹煥美術館」が開館した。現代美術家の李禹煥(リ・ウファン)氏の初めてとなる個人美術館だ。

 直島には、アンディ・ウォーホルやデイヴィッド・ホックニーらによる現代アートを滞在しながら観ることのできる美術館「ベネッセハウス」や、クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの作品を恒久設置する「地中美術館」などの美術館があるが、いずれも建築家・安藤忠雄氏の設計によるもの。「李禹煥美術館」も安藤忠雄氏が設計を担当し、地中美術館とベネッセハウスのちょうど中間に位置する谷あいに設けられている。
李禹煥美術館 写真:山本糾

 李禹煥美術館へのアプローチは、ちょうど海をのぞむことができる谷の上部から、階段状になっている。そこには、あえて海への眺望をさえぎるように大きなコンクリー卜壁があり、その壁を左に感じながら、訪れる者は一歩一歩、下へと降りて行くことになる。  階段を下りきると同時に、壁による隔たりはなくなり、はっとするほど広い、海をのぞむ景色が目の前に広がる。その先には、作品「関係項−対話」(2010年)と「関係項−点線面」(2010年)が設置されているため、少し遠くから、作品に一歩一歩近づいて行くことになる。

 館内に入るまでには、正方形の「柱の広場」から長いスロープを経てチケットオフィスへと到達するのだが、歩みを進めて行くうちに、自分が徐々に内なる世界、李禹煥の作品世界に入り込んで行くような感覚を覚える。谷の上から半地下構造の美術館への効果的な誘導、これはまさに建築家・安藤忠雄の劇的な場の構成によるものだ。
夜、ライトアップされた美術館も美しい 写真:山本糾


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