アートの常識を覆した若者たち「ビューティフル・ルーザーズ」

2008年7月29日 10:15
 「アートって誰の物なんだろう?」 偉い芸術家や批評家のためのものなのか、美術大学を出たエリートのものなのか。そうじゃない、アートはみんなのものであり、そして誰のものでもないのだ。この映画は、そんな単純なことを改めて認識させてくれた。

 8/2(土)から東京・渋谷の渋谷シネマライズ他で公開される、映画『BEAUTIFUL LOSERS(ビューティフル・ルーザーズ)』は、アートの常識を覆した、あるムーヴメントにフィーチャーしたドキュメンタリー作品。この公開に合わせて、ラフォーレミュージアムでは登場するアーティストの作品が一堂に会すグループ展を開催する。

 舞台は90年代のアメリカ。スケートボード、サーフィン、パンク、ヒップホップ、グラフィティ…、自分たちの好きな音楽や遊びで時間を潰すために、ストリートに集まる若者たち。時間と体力をもてあまし、世間ではLOSERS(落ちこぼれ)のレッテルを貼られている彼らを変えたもの、それが「創作」である。

 彼らを創作へと駆り立てたのは、アーロン・ローズ。NYに小さなギャラリー「ALLEGED(アレッジド)」(1992〜2002)を構え、退屈している彼らに創作の場を与えた。そこに集まったメンバーに共通していたのは、美術教育を受けていないこと。

 キーワードは「D.I.Y(Do it yourself)」の精神。自分たちで作品を作り、自分たちで展示をし、自分たちでネットワークを広げてムーブメントを作り上げていく「手作り」の心だ。

 まるで子どもの落書きのような、彼らのピュアな創作意欲と遊び心にユニークな批判精神が盛り込まれたアートワ−クは、ストリートから広がっていき、世界のアートシーンで注目を集めるようになる。彼らは、それまであったアートへの認識 -金持ちのための崇高なもの- という概念を覆し、スケーターやグラフィティライター、ミュージシャンといったストリートキッズたちに浸透させたのだ。


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