60年を経て、中原淳一の「夢の机」を商品化

2007年1月8日 10:35
 昭和20年代から活躍したデザイナー・画家の中原淳一。50代以上の人には懐かしい名前だし、若い世代にもそのレトロ感あふれる作風は再注目されている。

 目のくりくりした女性のイラストが有名だが、実はファッション、インテリア、食生活まで、当時の日本の暮らしに新しい提案をした異才の人で、中原がエディターとして主宰した雑誌「それいゆ」は企画、執筆、アートディレクションから、誌面構成までを手がけ、当時の女性に絶大な影響を与えた。今で言う、ライフスタイル誌だった。

 その「それいゆ」誌上で昭和24年に中原がイラストで発表した夢の机が、58年ぶりに商品化される。

 敗戦後、まだ充分ではない住居事情の中では、女性が自分の部屋を持つと言うことは夢のようなことだった。その時に、「もしあなたが自分の部屋を持つことができるようになったら、こんな机はどうだろうか」と中原は考え、この机があれば女性が家でしたいと思うことのすべてをすることができる机をデザインしたのだ。

 上の通り、書き物机としてはもちろん裁縫箱が内蔵され、すべて閉めてしまえばお茶を飲むテーブルにもなる。自分用のたんすや引出を持つことが難しかった時代に、マガジンラックや書棚、化粧台としても使えるように工夫されている。

 アイロン台まで引っ張り出せるようになっている、まさにマルチデスク。その時代の女性の暮らしぶりもしのばれるのも面白い。いわゆる6畳一間に置くだけで空間がたちまち、家事から趣味まで楽しめる女性の夢の部屋となるのだ。

 この復刻を企画したのは中原淳一の子息であり、現在は東京・広尾に中原グッズの専門店「それいゆ」を経営する中原蒼二氏。

「当時の淳一の考えを形にすることが、大切。簡略化したり、現代生活に合せることなく、できるだけ絵に忠実に再現した。かなり大きなものになり、また木工所での手作りのため高額なものになってしまったが、淳一の夢を伝えたいと商品化に踏み切りました」(中原蒼二氏)。

 値段は机が¥966,000、イスが¥60,900。受注生産で販売する。サイズはW2400mm×H710mm×D1000mmと確かに大きめだが、その多機能ぶりを考えると意外とコンパクトなのかもしれない。「それいゆ」の店頭でも展示を予定している。

取材/本間美紀

お問い合わせ:ひまわりや 03-5447-5303

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