ワタリウム美術館で「島袋道浩 展:美術の星の人へ」
2008年12月24日 17:50現代美術というと、やっぱりどこかで「難解」という言葉がつきまとうように思うんですが、島袋氏の作品を観ていると、面白いようにずんずん引き込まれていく。不思議な魅力があります。
難しいって言ったら難しいし、訳が分からないって言ったら訳が分からないと思う。現代美術っていうのは、「訳の分からないものをどうやって引き受けるか」っていうことの練習の場所だと思うんですね。自分とは違う人が考えたことで、それは完全には分かるはずがない。それを分からないなりにどうやって楽しんでいくかという。分からないからと言って、壊したり殺したりするんじゃなくって。僕には分からないけれど、彼には彼の自由なんだからやればいいじゃないって、許容できることって、アートに限らず、どの場面でも大切なことだと思う。
今の時代は、自分に興味は持って欲しいと思うけれど、他人には興味が持てない。でも、自分が今やっていることを他人に理解してもらおうと思ったら、まずは他人がやっていることを受け入れることが大事だと思う。それは男女関係でも友だちとの関係でも、なんでもそうなんだと思います。相手の話を聞かないと、自分の話は聞いてもらえないと思うんですね。「やるつもりのなかったことをやってみる」という作品はそんなことも考えて作りました。
今後もこういったスタイルで作品を発表していかれるのでしょうか?
いやあ、呼んでもらえたらどこへでも行くつもりです。包丁一本持って呼ばれるところへって感じで。呼ばれていないところへ押し掛けるよりも、呼ばれるところでやるのがいいんだなって今は思います。ちゃんと必要としてくれているところへ行くっていうことが大事かな。
包丁をビデオカメラとコンピュータに替えて、アートという料理をする(実際の料理も得意だという)、島袋道浩。「美術は難解」と思っている人こそ観て欲しい展示である。
最後に、美術館に収まりきらない展示の続きがある。「運が良かったら買えるアートブック」を買いに行ってみた。まずは『トマト七星』を買いに、八百屋さんへ。本は売れてますか、と尋ねると。「日曜日に店開けてりゃ、もっと売れると思うけどねー。でもいっぱい人は来たよ。ちなみに今日はいちごが美味しいよ」と。


次にビッグイシューへ。もちろん売っているのは知っていたが、自分で買ったのは初めてだ。担当の吉富さんから、『象のいる星』を購入。もちろんビッグイシューも。吉富さんに同じ質問を投げかけると「今は展示が始まったばかりだから、知ってもらう期間。売れるのはこれからです」と意欲的。

どうやら運がよかったようだ。すべての展示を見終わった私の手には、島袋さんの本2冊と美味しいいちご、今まで食べたことのないおいしいヨーグルトと納豆、そしてビッグイシュー。盛りだくさんになっていた。そして、何よりも得難いのは、これらのモノを買うまでの経緯であり、対話であり、経験である。
「わけのわからないものをどうやってひきうけるか」。余計なことは考えなくていい。もちろん、今回紹介した以外にも展示作品は多数あり、ぷぷっと笑わせてくれるワナがたくさん仕掛けられている。遊びに行く感覚で、肩の力を抜いて観て欲しい展示である。
島袋道浩 展:美術の星の人へ
ワタリウム美術館 開催中〜2009年3月15日(日)
東京都渋谷区神宮前3-7-6 tel.03-3402-3001 Open.11:00〜19:00(毎週水曜日は21:00まで)
月休(12月15日、22日、29日、1月12日は開館)、12月31日(水)〜1月3日(土)は休館
入場:大人¥1,000 学生¥800(25歳以下)※期間中、何度も使えるパスポート制
取材/上條桂子
難しいって言ったら難しいし、訳が分からないって言ったら訳が分からないと思う。現代美術っていうのは、「訳の分からないものをどうやって引き受けるか」っていうことの練習の場所だと思うんですね。自分とは違う人が考えたことで、それは完全には分かるはずがない。それを分からないなりにどうやって楽しんでいくかという。分からないからと言って、壊したり殺したりするんじゃなくって。僕には分からないけれど、彼には彼の自由なんだからやればいいじゃないって、許容できることって、アートに限らず、どの場面でも大切なことだと思う。
今の時代は、自分に興味は持って欲しいと思うけれど、他人には興味が持てない。でも、自分が今やっていることを他人に理解してもらおうと思ったら、まずは他人がやっていることを受け入れることが大事だと思う。それは男女関係でも友だちとの関係でも、なんでもそうなんだと思います。相手の話を聞かないと、自分の話は聞いてもらえないと思うんですね。「やるつもりのなかったことをやってみる」という作品はそんなことも考えて作りました。
今後もこういったスタイルで作品を発表していかれるのでしょうか?
いやあ、呼んでもらえたらどこへでも行くつもりです。包丁一本持って呼ばれるところへって感じで。呼ばれていないところへ押し掛けるよりも、呼ばれるところでやるのがいいんだなって今は思います。ちゃんと必要としてくれているところへ行くっていうことが大事かな。
包丁をビデオカメラとコンピュータに替えて、アートという料理をする(実際の料理も得意だという)、島袋道浩。「美術は難解」と思っている人こそ観て欲しい展示である。
最後に、美術館に収まりきらない展示の続きがある。「運が良かったら買えるアートブック」を買いに行ってみた。まずは『トマト七星』を買いに、八百屋さんへ。本は売れてますか、と尋ねると。「日曜日に店開けてりゃ、もっと売れると思うけどねー。でもいっぱい人は来たよ。ちなみに今日はいちごが美味しいよ」と。


次にビッグイシューへ。もちろん売っているのは知っていたが、自分で買ったのは初めてだ。担当の吉富さんから、『象のいる星』を購入。もちろんビッグイシューも。吉富さんに同じ質問を投げかけると「今は展示が始まったばかりだから、知ってもらう期間。売れるのはこれからです」と意欲的。

どうやら運がよかったようだ。すべての展示を見終わった私の手には、島袋さんの本2冊と美味しいいちご、今まで食べたことのないおいしいヨーグルトと納豆、そしてビッグイシュー。盛りだくさんになっていた。そして、何よりも得難いのは、これらのモノを買うまでの経緯であり、対話であり、経験である。
「わけのわからないものをどうやってひきうけるか」。余計なことは考えなくていい。もちろん、今回紹介した以外にも展示作品は多数あり、ぷぷっと笑わせてくれるワナがたくさん仕掛けられている。遊びに行く感覚で、肩の力を抜いて観て欲しい展示である。
島袋道浩 展:美術の星の人へ
ワタリウム美術館 開催中〜2009年3月15日(日)
東京都渋谷区神宮前3-7-6 tel.03-3402-3001 Open.11:00〜19:00(毎週水曜日は21:00まで)
月休(12月15日、22日、29日、1月12日は開館)、12月31日(水)〜1月3日(土)は休館
入場:大人¥1,000 学生¥800(25歳以下)※期間中、何度も使えるパスポート制
取材/上條桂子
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