【PingMag】中銀カプセルタワービル:未来の建築
2008年12月30日 18:00
メタボリズム建築の代表作、中銀カプセルタワービル。
サラリーマンで溢れる東京のJR新橋駅から少し歩くと、始終騒音の絶えない首都高速の高架脇にたたずむ未来的な中銀カプセルタワービルを見ることができる。一見、SF映画から飛び出したかのような印象を与えるこのビルのデザインは、一般的な高層マンションやオフィスビルの林立する銀座の街並みの中でも、特にユニークな建築物として異彩を放っている。中銀カプセルタワービルは、日本を代表する建築家、故黒川紀章氏が設計した14階建ての高層建築で、ユニット式のマンションやオフィスとして機能する140個ものカプセルによって構成されている。またこのビルは、ビジネスホテルやカプセルホテルなど、日本特有の都市型宿泊施設の一種の原型ともなったことで知られている。
中銀カプセルタワービルの先行きは不透明だ。メンテナンスの問題や保存への地元住民の支持不足などの様々な原因によって、大規模な保存計画を提示して、受理されない限り、この建物は2年以内に取り壊されることになっている。黒川のメタボリズム建築の作品は、日本にほとんど残っていないので、解体されるようであれば、それは日本の建築にとっては残念な損失と言わざるをえない。

特定の角度から見ると、突出するそれぞれのカプセルがはっきりと見てとれる。
中銀カプセルタワービルとメタボリズム
1972年に竣工されたこのビルは、順応性、増築、取り換えの可能性に焦点を当てた、黒川紀章のメタボリズム建築の代表的な作品である。「メタボリズム」とは、新陳代謝にアイディアを得た、周囲の環境に応じた有機的な成長を提案する言葉で、この思想はビルの建設のあらゆる段階に影響を及ぼした。
ビルに使用されたカプセルは滋賀県の工場で作られ、東京までトラックで運ばれた後にビルの中心の柱にはめ込まれている。カプセルは中心の柱からの取り外しと交換を想定したデザインになっており、一見小さく思えるカプセルの内部スペースも改造できるだけでなく、他のカプセルと連結させて大きくすることもできる。このタワーのシンプルでミニマル的なデザインも意図的なもので、黒川はコンクリートや鋼鉄などの素材が本来備えている美しさ故に、メタボリズム建築に特別に手や装飾を加える必要はないと信じていた。

下から見上げた中銀カプセルタワービル。
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