山中俊治ディレクション「骨」展

2009年6月11日 23:00
 プロダクトデザイナー・山中俊治氏がディレクションを手がけた『「骨」展―骨とデザイン。つくられた骨、未来の骨―』が、東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTにて開催されている。明和電機やtakram design engineering、中村勇吾氏など各界を代表する作家による「骨」をテーマにした未来的な作品の数々が展示されている、注目の展覧会だ。

 山中氏は腕時計から鉄道車両に至るまで、幅広いジャンルの工業製品にデザイナーとして携わる一方で、エンジニアとしてヒューマノイドロボット「morph 3」や8輪ロボットカー「Halluc II」などのプロトタイプを研究者とともに共同開発した実績を持つ人物。最近の仕事では、JR東日本「Suica」の自動改札システム開発で15度手前に傾けたアンテナ面を提案し実用化に貢献、2008年から慶応義塾大学で教授も務めている。

 硬軟両方にアンテナを張り巡らせるプロダクトデザイナーが手がける “骨”をテーマにした展覧会とは、ぱっと聞いただけでは、ちょっと想像がつかない展示内容かもしれない。

 実は、21_21 DESIGN SIGHT側から山中氏への最初の打診では「身体をテーマに」というオーダーだった。そこから一歩進めて、身体を支える「骨」という構造体にテーマをフォーカスした背景には、山中氏の持論「何かデザインを考えるときは、つねに仕組み・骨格から考える」がベースとなっている。

 「デザイン」というと表層的と思われがちな分野であるが、実は構造から考え抜かれたデザインには普遍的な美しさが備わっている。「生物の骨格は、その優美な外観と見事に連携している。それに比べ、人工物のそれはどうだろうか」――そんなプロダクトデザイナーとしての自問自答が、展覧会を支えるテーマとなっているのだ。


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